内容説明
愛はいつしか悲しい色彩に変わっていく。婚約者が事故死する直前に、私に見せたがったナナカマドの「赤」。夫に見捨てられた私を染めていく、夕空の「紫」。同棲相手と致命的なケンカをして、ひとりで泊まるホテルの床の「茶色」。決して叶うことのない恋の相手に贈る、フォトフレームの「ピンク」。この愛に優しい光は灯るのか―。様々な色をテーマに、胸を打つ恋愛を描いた掌編集。オリジナル文庫。
著者等紹介
谷村志穂[タニムラシホ]
1962年札幌市生まれ。北海道大学農学部で応用動物学を専攻。フリーライターを経て、90年『結婚しないかもしれない症候群』でデビュー。以後、小説やエッセイを多数発表。2003年『海猫』で第10回島清恋愛文学賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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いたろう
63
橙色、黄色、茶色、赤、ピンク、紫、6つの色に彩られた、各色ごとに4話、全24話のちょっと苦い愛の物語。1編は長くても10ページちょっとの、短編集というより掌編集。それぞれの掌編は、物語が始まり、物語の進む方向性が見えたと思ったところで、すっと終わっている。それは、6色それぞれの色を使って描き始められたばかりの、本来なら未完の絵画なのだけど、既に完成画が見えるように思える絵画、といった感じだろうか。その中で、最終話、「好きになる前に」で、主人公の女性が飼っている、ムラサキウニの紫のイメージが鮮烈に心に残る。2021/10/26
巨峰
47
短編の名手による6色に彩られた24の短い小説。日常にひんやりとした一瞬の感触だけを与えて、跡も残さずに去っていく物語たち。チェンジ オブ ペース。すこしだけ空気を変えてみたいひとに。2015/10/11
双海(ふたみ)
7
不倫の話は苦手だな。興味がないし、気持ち悪し。それ以外の短編は〇。2019/01/31
りえこ
7
昔よく谷村さんの本を読んでいたので、久しぶりに読んだ。なつかしかった。不倫とかの話が多く感じました。2012/12/31
さくや
5
ひとつひとつの話が短い&ラストが、何とも言えない感じ。私向きではなかったのか読むのに凄く時間がかかった。2017/02/16
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