出版社内容情報
地図データを駆使した防災研究を専門とする著者が、事故・災害時のGIS(最新の地理情報システム)活用のノウハウを、福島原発周辺の「セシウム汚染地図」作成の経緯を中心に解説する。図版多数。
内容説明
地図データを駆使した防災研究を専門とする著者は、福島原発事故後、米軍がネットで公開した放射能実測値をGIS(地理情報システム)という最新ソフトウェアに落とし込んで「セシウム汚染地図」を作成した。「地図屋」の立場で放射能問題に関わるようになった著者が、地理情報の実践的な活用ノウハウを提示する。福島第一原発周辺汚染状況の3Dマップ、飯舘村の地区単位の汚染濃度分布図、関東一帯の「放射線管理区域該当エリア」など、貴重なオリジナル図版を本書に多数収録。また、大型水害時の「見えない水路」を可視化する試みなど、災害対応に役立つ広範な事例も報告する。
目次
序章 SPEEDIは「時代遅れ」だった(解析されなかった「放射能実測値」;なぜ「日本測地系」? ほか)
第1章 どうやって「汚染地図」を作成したのか(大学の教室で「実測値」を発見する;生データから「セシウム汚染地図」を作る ほか)
第2章 「GIS」とは何か(「ナホトカ号事故」被災現場で;杭を打ち込んでも、位置はわからない ほか)
第3章 データを「活かす」道を探る(日本政府は、なぜ「放射能実測値」データを黙殺したのか;米国政府が「放射能実測値」を一般公開した意図を探る ほか)
第4章 GISを活用するには(ファストフードの出店計画にも利用されている;情報解析の世界標準インフラ ほか)
著者等紹介
沢野伸浩[サワノノブヒロ]
1960年群馬県生まれ。金沢星稜大学女子短期大学部教授。専門は社会システム工学・安全システム。ナホトカ号重油流出事故の漂着油調査、ベトナムでのダイオキシン類による環境汚染に関する研究などのフィールドワークを行う。また、2007年度学術振興機構特定国長期派遣研究者としてフィンランド国立技術研究所に滞在し、地理情報システムを用いた船舶航行安全と海洋汚染防止の研究に従事した(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。