集英社新書
紳士の国のインテリジェンス

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  • サイズ 新書判/ページ数 253p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784087204018
  • NDC分類 391.6
  • Cコード C0222

出版社内容情報

007ジェームズ・ボンドで知られる英国の国家セキュリティ・サービスMI5が新聞に求人広告を載せたり、ロシアの闇を知る男が亡命先のロンドンで毒を盛られたりと、インテリジェンス(スパイ)は現実に活躍している。一六世紀後半エリザベス朝以来、スパイ組織は立派な国家機構の一つで、スパイ情報を活用した政治家が英国の歴史をつくってきた、といっても過言ではない。
 優秀なスパイほど、任務遂行の痕跡を残さず、正体が暴露されずに、その実態が外に漏れることはない。映画の中の、世界を飛び回るセクシーで魅力的なイメージより、はるかに知的な側面が主流を占める。祖国に忠誠を尽くしたスパイと裏切ったスパイに大別して、その実像に迫る。

【著者紹介】(かわなり よう)
一九四二年、北海道生まれ。六六年、北海道大学文学部卒業、六九年、東京都立大学大学院修了。ロンドン大学・ケンブリッジ大学客員研究員を経て、七七年より法政大学教授。社会学博士(一橋大学)。専攻はイギリス文学、スペイン史。『世界の博物館』『世界の美術館』『世界の古書店』『スペイン戦争』『青春のスペイン戦争』など著作多数。書評家としても活躍。

内容説明

007ジェームズ・ボンドで知られる英国の国家セキュリティ・サービスMI5が新聞に求人広告を載せたり、ロシアの闇を知る男が亡命先のロンドンで毒を盛られたりと、インテリジェンス(スパイ)は現実に活躍している。一六世紀後半エリザベス朝以来、スパイ組織は立派な国家機構の一つで、スパイ情報を活用した政治家が英国の歴史をつくってきた、といっても過言ではない。優秀なスパイほど、任務遂行の痕跡を残さず、正体が暴露されずに、その実態が外に漏れることはない。映画の中の、世界を飛び回るセクシーで魅力的なイメージより、はるかに知的な側面が主流を占める。祖国に忠誠を尽くしたスパイと裏切ったスパイに大別して、その実像に迫る。

目次

第1部 祖国に尽くしたスパイ(エリザベス朝イングランドを支えた「イギリス秘密情報部の父」フランシス・ウォルシンガム(一五三〇?~九〇)
秘密を握ったとみなされた天才劇作家の顛末クリストファー・マーロー(一五六四~九三)
「グレート・ブリテン王国」誕生の陰の立役者ダニエル・デフォー(一六六〇~一七三一)
「ボーア戦争の英雄」と謳われた偽装作戦の名手ロバート・ベーデン=パウエル(一八五七~一九四一)
貴族に叙せられた変装と語学の天才ポール・デュークス(一八八九~一九六七)
世界的な有名作家をカバー(偽装)に利用したスパイサマセット・モーム(一八七四~一九六五)
不朽の名画『第三の男』の原作者グレアム・グリーン(一九〇四~九一)
『007』ジェームズ・ボンドの生みの親イアン・フレミング(一九〇八~六四))
第2部 祖国を裏切ったスパイ(イギリス犯罪史上最長の懲役42年に処せられた男ジョージ・ブレイク(一九二二~?)
人も羨むような「文武両道」の才に恵まれた男ガイ・バージェス(一九一一~六三)
未来の「外務次官」の席を棒に振った男ドナルド・マクリーン(一九一三~八三)
歴史にその名を残した20世紀最大のスパイキム・フィルビー(一九一二~八八)
「エリザベス女王のご親友」と謳われた美術史学界の重鎮アンソニー・ブラント(一九〇七~八三)
「私は雑魚にすぎない」とうそぶいた「第五の男」ジョン・ケアンクロス(一九一三~九五))

著者等紹介

川成洋[カワナリヨウ]
1942年、北海道生まれ。66年、北海道大学文学部卒業、69年、東京都立大学大学院修了。ロンドン大学・ケンブリッジ大学客員研究員を経て、77年より法政大学教授。社会学博士(一橋大学)。専攻はイギリス文学、スペイン史。書評家としても活躍(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

中島直人

2
英国の代表的なスパイ達の略歴。まさに現実は小説より奇なりを地で行く、波瀾万丈の人生に驚く。面白い。2013/06/05

なお

1
うまくまとまっているが分量に物足りなさを感じる上に情報の羅列になっている。作者の分析や考察があまりにも少ないことが残念。ボーイスカウトの創設者であるベーデン・パウエルの紹介があったことは個人的には興味深かった。これから諜報機関の採用が公募になれば、家柄の壁はなくなるかもしれないが結局の所、知的エリートにしか出来ない仕事である以上は、それほど大きな違いはないのではないかと思う。2016/10/24

1962

1
主に、冷戦期までのスパイ活動の主要人物の生涯にスポットを当てた物語です。 2重スパイが多いのですが、愛国心よりもイデオロギーや宗教心の方が強いのかなと感じました。 だいたい、大物スパイが亡命する時の手みやげに、2重スパイが暴露され逮捕されることが西側、東側共に繰り返されております。 興味深い内容ですが、特殊なスパイを集めたのか、スパイが全員そうなのか、著者の好みがそうなのか判りませんが、多くのスパイがホモセクシャルである事が記述されております。 事実かも知れませんが、史実にあまり関係ないことで必要のない記2009/08/08

jima_1965

0
かの国にスパイありきといったエピソード集で、通り一辺倒なものだった。2013/02/23

haruki

0
スパイは本当にいて、悟られないことがプロの絶対条件だから、情報は少ない。2012/10/02

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