内容説明
時は7世紀。唐の皇帝、李世民の姪でありながら、商人の娘として育てられた翠蘭は突然皇帝に呼び出され、こう言われる。「そなた、朕の娘となって吐蕃国に嫁がぬか?」辺境の地、吐蕃(現在のチベット)に政略結婚で嫁ぐことになった翠蘭は、自ら馬に跨がり旅路に出るが、待ち受けていたのは、思いもかけぬ事件と、胸を焦がすような出会いと…。歴史を駆け抜けたヒロインの、運命の物語。
著者等紹介
毛利志生子[モウリシウコ]
11月7日生まれ。広島県在住。龍谷大学文学部卒業後、生花の専門学校、トリマー専門学校を卒業。『カナリア・ファイル~金蚕蠱~』で’97年度ロマン大賞を受賞
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感想・レビュー
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らじこ
31
わたしが中華の世界観が苦手なせいもあるかもしれない。最初は読みにくくて、中ほどからようやく引き込まれた。魔術で隊列が襲われ、動揺したところに奇襲がかけられ公主がさらわれる。それを追いかけるスイランが描かれるシーンは、久しぶりに自然と情景が浮かんできて迫力があった。小刀を手渡せるかどうかで信用できるか否かを図る駆け引きも好きだ。スイランも好感がもてるけれど、リジムの優しさには惚れ惚れしてしまう。彼の行動や雰囲気はきっとわたしのつぼにはまるところがあるのだろう。しっかりとした幹のある設定は読み応えがあった。2016/09/26
Koto
15
以前から気になっていたシリーズで、集英社文庫で再版されたのをきっかけにとうとう大作に手を出しました。舞台は7世紀のチベット。唐から吐蕃へ身分を偽り嫁ぐことになった翠蘭。一巻では危険な道中と運命的な出会い編。複雑な歴史的背景や相関図を理解するのは少々大変だけど、それだけに今後の壮大な物語を予感させるものがありワクワクする。そしてこれから増えてくであろう登場人物の数にドキドキ← ヒーローとヒロイン二人のキャラクターも気に入ったし、時間をかけてでも全巻制覇したい。2014/05/06
Artemis
14
史実を元にした吐蕃の話。2018/09/18
フキノトウ
13
久しぶりに再読して、リジムが居ることにちょっと感動。翠蘭が凛としていてカッコいい^^2013/09/10
Yoko
11
あー、コバルト文庫、持っても読んでもしっくりくるな。しかしラノベと侮ることなかれ、な内容。壮大な設定と自然な描写でオトナな読み物としてもOK。ちょっと漢字難しいですが。2017/04/01