感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
藤村
3
<ヴォロジンは水をすこし飲んだ。それだけでもう水は飲みたくなくなった。コップは三百ミリリットル入るうす緑の琺瑯びきのもので、奇妙な絵がついていた。眼鏡をかけた猫が本を読んでいるふりして、その実は大胆にもそばをはねとんでいる小鳥をこっそりうかがっているのだった。>p5432012/11/02
静かな生活
2
より現代的なドストエフスキー。インテリは意外とどんな場所にも適合できるものなのかもしれない。2023/05/20
facecrime
1
すごいもの読んだ。アーレント『全体主義の起原』で言及されていたから気になっていた。アレクセイ・ゲルマンの『フルスタリョフ、車を!』は(題材もカオスな文体も)これの影響??2021/09/03
みか
1
モスクワ近郊の「特別収容所」(シャラーシカ)を舞台に、1946年のクリスマスから数日間が描かれています。シャラーシカは、囚人である科学者や技術者たちが、国家のために開発・研究を進める研究所です。ソルジェニーツィンによれば、「しゃばにいるどんな学者でもそこで働かせてもらうのを名誉と考えるにちがいないほど、水準の高いもの」でした。「第一圏にて」という原題は、ダンテ『神曲』の地獄の第一圏の意味で、シャラーシカを比喩的に表したものです。2008/09/03
ななっち
1
ロシア文学の中で牢獄の話が度々出てきますが、ソルジェーツィンのは、過剰な批判でもなく、内なるそれぞれの声が聞こえるようで、冷静な記述が好きであったりします。2012/05/31