内容説明
「僕」は幼い頃にユーリヤという女の子と出会う。彼女が僕を「スプートニク」と呼んだ日から、僕は彼女の衛星になり、まるで双子のように一緒に過ごす。ユーリヤの夢は宇宙飛行士として月に行くこと。月を目指していたのは、争いや国境のない世界に憧れていたからだ。やがてスプートニクも、宇宙飛行士になって二人で月に立つことを夢見るようになった。だが、小六の頃から、二人の心は離れてしまい、国境線に背を向けるように別々に歩き出した。そして、高校受験を控えた満月の夜―二人の心はまた通じ合った。この日から、スプートニクの長い旅がはじまる。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
美紀ちゃん
77
you copy? i copy. というやりとりが素敵。 小さい頃から月に行きたいと宣言していたユーリアは虚弱だった。 心の中惑星、幼馴染の僕は彼女からスプートニクと呼ばれる。 ユーリアとスプートニクのラブストーリー。 めっちゃキュン。 アニメ化しそう。 でユーリアを月に連れて行きたくてスプートニクも宇宙飛行士を目指す。 展開が早い。 試験に合格し、月へ。 半年、月面で活動している間に、 突然現れた女の子ソーネチカ。 月で生まれた女の子。 育つのが早い。そして下巻へ。 どうなるのか?とても楽しみ。 2021/11/02
背古巣
46
【貢本当選本】ごめんなさい、辛口になります。私、涙腺が緩い方だと自覚していますが、上巻を読み終えた段階では、目頭が熱くなることはありませんでした。幼い時に巡りあったユーリア。彼女のスブートニクとして、彼女の背中を追いかけ、彼女を月に連れていくために宇宙飛行士になった"僕"。時間軸も空間も壮大なんだけど、何かこじんまりとしたお話しという印象。下巻に期待です。2021/10/16
ゆなほし
46
私を月へつれて行って―あの有名な曲のタイトルは、この2人の為にある最高の愛の合言葉だ。月を目指す少女と、少女を追いかける衛星の僕。ソユーズとスプートニクの出会いは運命的で、宇宙の果てにいたってきっと互いの引力で巡り会えるのだろう。そんなユーリヤと僕の切ない青春時代を経て、やがて大人になる彼らのさらにその先が読めるのは嬉しい限りだ。you copy?i copy.交わす2人の秘密の合言葉は、38万キロ離れていたって想いを伝えられる。月を目指す少年少女の青春物語から、月世界へと開ける物語に一気に引き込まれる。2021/10/06
さっとん
42
月を目指す少女とその背中を追いかける少年の青春物語。 中盤までのユーリアとスプートニクの関係性が微笑ましくももどかしくてこの部分だけでも一つの作品に出来そうなぐらい読み応えがあります。 個人的にはスプートニクの高校の陸上部の話が結構好きなのと、ユーリアの父親とスプートニクの会話が切なすぎます。 ただ、同じ意味の言葉を少し言い方を変えて繰り返したり、またそれがいろんな場面で出てきたりするので、自分とはテンポが合わないなと感じました。 まぁ、話の流れとしては面白いので期待しながら下巻に向かいます。2021/10/18
あっちゃん
34
月に取り憑かれた少女ユーリヤ、彼女にスプートニクと呼ばれ彼女の衛星となった主人公、宇宙を目指す少年少女の夢の行き先は?そして、宇宙飛行士になったかつての少年は、月で生まれたソーネチカと出会う!ジュヴナイルにしては感傷的過ぎる気もするけど(笑)大人として読むのはテンションが違い過ぎる( ̄▽ ̄)2022/01/03