内容説明
古代世界から多くの人と民族、そしてその叡智が集まり、哲学、文学、科学技術が花開いた世界最初のコスモポリス、古代都市アレクサンドリア―その誕生から消滅までを描いた知的歴史書。
目次
粉と砂
神を盗む
新エジプト誕生
アリストテレスの遺産
知性の都市
ギリシャ人のファラオ
天体の音楽
小さな球体
そうだったのか!
ギリシャの悲劇
最後のファラオ
時計じかけの都市
ローマと全世界に向けて
偶像破壊の始まり
やわらかな機械のなかへ
信仰の広がり
理性の終わり
ヒュパティア
時の難破船
遠い浜辺で
著者等紹介
ポラード,ジャスティン[ポラード,ジャスティン][Pollard,Justin]
英米のテレビ界で活躍
リード,ハワード[リード,ハワード][Reid,Howard]
1979年から91年までBBCでドキュメンタリーを手がけ、「ストーリー・オブ・イングリッシュ」ではエミー賞を受賞している。英米のテレビ界で幅広く活躍
藤井留美[フジイルミ]
翻訳家。上智大学外国語学部卒(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
Mana
4
異教とキリスト教の入れ替わる時代にローマ帝国領のアレクサンドリアを生きた女性学者ヒュパティアの映画「アレクサンドリア」が面白かったのでその時代のアレクサンドリアをもっと知りたくて借りてみた。プトレマイオス朝成立時点からのアレクサンドリアとエジプト統治の歴史。映画のセラピス神殿にエジプトにそんな神様いたっけ?になったけど、プトレマイオス朝で作られた神様と知って納得。2020/08/22
Yuri Mabe
4
力でも富でもなく知恵を結集しようと計画的に作られた都市、アレクサンドリア。本が集まり識者が学問を究めていく様子は、まるで古代の偉人たちが時代を超えて集まっているかのようだ。やがて力も富も呼び寄せて繁栄を極め、ついには政争と暴力も呼び寄せて塵と散ってしまった。冒頭でその当時の資料によって作られた世界地図が大航海時代の契機となり、今我々の時代につながっていることが語られている。アレキサンドリアの世界最初の図書館のかたちは残っていなくても、ルネサンスを通じてその成果は実っているのである。2015/04/07
K
2
紀元前4世紀のアレクサンドロスから始まり、プトレマイオス、ギリシャの数々の偉人、ローマ帝国とキリスト教の拡大、イスラム教の拡大を通してアレクサンドリアという都市を概観する。物語としても楽しく読めるので真偽はともかく古代エジプトの最後の雰囲気を味わうにはちょうどいい。2025/05/04
oDaDa
1
結構面白く読めるのだが、参考文献がないのが致命的。あ、だからこの出版社からなのか。2021/11/09
めぐみこ
1
古代都市アレクサンドリアの歴史と、この都市で学んだ数多の科学者・哲学者たち、そして彼らの研究成果について。初代のプトレマイオスが本と人を集め素地を作ったことにより、次々と偉人が輩出される流れは圧巻。まさに綺羅星。美しい調和があり知の宝庫でもあった街が、一人の昏王によって綻び、ローマ帝国やキリスト教によって弾圧され、イスラムの将軍にトドメを刺される…盛者必衰が世の定めと言えど口惜しいものがある。2016/12/25




