出版社内容情報
小野寺 史宜[オノデラ フミノリ]
著・文・その他
内容説明
ある出来事を機に、血のつながらない小学生の娘や妻との関係が急に冷えこんでしまった豊永守彦。しかたなく家を出るが、変わり者の後輩や喫茶店で働くシングルマザーの何気ない言葉に、娘と妻への本当の気持ちに気づかされていく。いつもあと一歩が踏み出せない守彦の出す答えが心にしみる、新しい家族の物語。
著者等紹介
小野寺史宜[オノデラフミノリ]
1968年千葉県生まれ。2006年「裏へ走り蹴り込め」で第86回オール讀物新人賞を受賞し、デビュー。’08年『ROCKER』で第3回ポプラ社小説大賞優秀賞を受賞。『その愛の程度』を一作目とする『近いはずの人』『それ自体が奇跡』の夫婦三部作(講談社)などがある。’19年『ひと』(祥伝社)で本屋大賞2位(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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aoringo
100
バツイチ子持ちの年上女性と結婚したが、その子供としっくりこない主人公。本の中で登場する何人かの愛の形を読んでいて自分はどの人に近いかなと考えると、やはり勘違い君で理屈っぽい主人公かー。100%相手のことを信じられる小池くんみたいな人のほうが幸せになれるんだろうな。あと人が誰かを好きになる理由に顔を何度か挙げていたけど、反発する一方であ、なるほどと思うところも。終始主人公が冴えなかったけど情けない男を描くのが上手な作家さんだなと思いました。2022/03/23
やも
75
結婚、別居、離婚、新たな出会い。流れる時間の中で色んなことは起きるけど、私にとっては特別な人にしかしない事をヒョイッとこなしていく登場人物達に戸惑った💦でも、私が戸惑うようなことも当たり前にこなしてく人もいるよな🤔そりゃそうか、みんな違うわ😞「いいな」「イヤだな」「なんとも思わない」その物差しは人それぞれ。私なら好きな人とは誤差を小さくしたい。合わせたいとも思うし、合わせてくれるなら愛を感じる。それかあえてその誤差を楽しみたい!ま、それが中々難しいんだけど😅そんなことを考えてしまう読書だった。★32022/02/28
となりのトウシロウ
74
豊永守彦35歳は7つ年上の妻成恵と血の繋がらない小一の娘と暮らす。ある出来事を機に娘から疎まれ、2年間の夫婦生活に終止符を打つ。その出来事のもう一方の当事者である結衣さんと留衣ちゃんに急接近する。どちらの女性にも子どもがいて、守彦は女性とその子どもとの距離感に悩むのは当然。恋愛は相手との距離感が大事なんだろうけどその相手により十人十色で同じものはない。それを「愛の程度」と著者は言ってるのかな?真面目で風変わりな小池くんみたいなのはある意味幸せ。顔を始め見た目も大事な要素。恋愛って難しいねぇと改めて感じる。2023/09/10
J D
73
全日本この作品の作者は誰だ選手権の一回戦がこの作品だったら私は一回戦敗退だ!という位、小野寺風味を感じなかった。小池君には、親しみを感じるが豊永さんはどうだろう。愛の程度ねぇ~。うーん、顔がどうだとか言ってる時点で私的には、アウトかな。人を愛することに個人差はあれど濃淡はないように思うのだが。口直しに映画寅さんでも見て「愛」を感じたい。2024/04/07
三代目けんこと
55
夫婦三部作の一作目。先に読んでしまった二作目の「近いはずの人」よりかは好きかな。最後のスピーチは響いたし😊、少しウルっともきた。三部作最後の「それ自体が奇跡」も読んで締めたいと思う。小野寺さんの本は、自分との相性がほど良い程度で、とても読みやすい😊2020/07/31