出版社内容情報
遠く離れた南米チリで。瀬戸内海に浮かぶ島で。雑踏の渋谷で。あの何気ない出会いは運命だった。静かな感動が降り積もる六編。
内容説明
「最近仕事がうまくいかなくなってきた」「婚約者が自分の家族の話を避けている」「彼との婚前旅行のはずが一人旅になった」「結婚十五年。妻に別の男ができた」切実で誰にも起こりうる人生の重大事。あの一日の出会いが悩みや哀しみを軽やかなものにしてくれる。前を向いて生きていきたくなる心の栄養六編。
著者等紹介
瀧羽麻子[タキワアサコ]
1981年兵庫県生まれ。京都大学卒業後、2007年に『うさぎパン』で第2回ダ・ヴィンチ文学賞大賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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いたろう
74
(再読)サンティアゴ、青森、上海、瀬戸内海の島(直島?)、アントワープ、渋谷、それぞれ国内外の都市、町を舞台にした、6編の短編集。本のタイトルも印象的で、それだけで記憶に残りそうなものなのに、読み終わるまで、以前、単行本で読んでいたことに全く気づかず、読了後、読メに登録しようとして、初めて再読だったことに気がついた。一部、何となく、似たような話を読んだことがあるような気がしたのは、そのせいか(笑) 海外が舞台の小説は、瀧羽さんには珍しいが、具体的な地名とその景色が描かれると、物語のリアリティが増していい。2020/05/26
涼
64
http://naym1.cocolog-nifty.com/tetsuya/2023/10/post-696147.html いつもの著者から受ける印象とは、ちょっと違いました。少しほろ苦いというか、後味があまりよくないというか……。2023/10/26
ネコタ
53
久しぶりに瀧羽さん。やっぱり落ち着いて読むことができる。サンティアゴから渋谷までいろいろなところでのお話が6篇。どのお話も始まりがちょっと不安な感じではあるけど、最後は明るい方向にお話が進んでいくのがいい。2020/03/17
馨
52
短編集。海外に国内にいろんな場所で繰り広げられる優しくて、少し寂しくて、でも前向きになれる話。お母さんとベルギー旅行する『アントワープの迷子』が一番好きかな。母と娘って大人になると特に親密な関係になれる存在だと思うのでとても現実的に思えました。2019/08/08
えりこんぐ
51
6つの短編集。サンディアゴ、ベルギー、渋谷etc...世界各地で繰り広げられる人間模様は、切ない中にも少し余韻を残すものばかり。津軽のお寺の話が好きだった。【積読41】2022/05/28