星海社新書
筒井康隆入門

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  • サイズ 新書判/ページ数 192p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784065104408
  • NDC分類 910.268
  • Cコード C0295

出版社内容情報

デビューから半世紀以上にわたり紡がれた膨大な作品群を辿り、作家・筒井康隆を改めて考える。筒井康隆論にして至高のブックガイド!

内容説明

現代日本文学が生んだ最重要にして最強の作家・筒井康隆。日本SF第一世代に属したのち、中間小説に進出してその最盛期を支え、さらには燦然と輝くジュブナイルの金字塔をうちたて、小説のジャンルとスタイルのあくなき改革者―そんな怪物的巨人の作品世界をトータルに把握することは困難を極めます。本書はその難題に、筒井本人をして「わし以上にわしのことを知っている」と言わしめた佐々木敦が、デビュー作「お助け」から最新作まで、綺羅星の如き作品群を愚直にレビューすることで回答を試みます。キーワードは「筒井康隆は二人いる」。さあ、半世紀以上に及ぶ巨人のキャリアを辿り直し、新たな筒井康隆像を探す旅に出ましょう。

目次

第1章 SFの時代―デビュー作「お助け」(1960年)から『脱走と追跡のサンバ』(1971年)へ
第2章 黒い笑いの時代―『家族八景』(1972年)から『大いなる助走』(1979年)へ
第3章 超虚構の時代―『虚人たち』(1981年)から『文学部唯野教授』(1990年)へ
第4章 炎上の時代―断筆宣言(1993年)から『巨船ベラス・レトラス』(2007年)へ
第5章 GODの時代―『ダンシング・ヴァニティ』(2008年)から『モナドの領域』(2015年)へ

著者等紹介

佐々木敦[ササキアツシ]
批評家。1964年名古屋生まれ。音楽レーベルHEADZ主宰。映画、音楽、文学、演劇など、広範なジャンルで批評活動を行っている。2015年にスタートした批評家養成プログラム「ゲンロン佐々木敦批評再生塾」では主任講師を務め、後進育成にも尽力する(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

厩戸皇子そっくりおじさん・寺

69
十代の頃の私が最も影響を受けた人間の一人は間違いなく筒井康隆である。断筆宣言までのカリスマ的な存在感は今も覚えている。SFは好きになれなかったが、筒井康隆の影響でたくさんの啓蒙をされた。断筆解除後はろくに読んでいなかったが、それが不明であったと痛感。本書は筒井作品を時系列に紹介。当時の事情や事件等を交えながら読み解いてゆく。私がほぼ読んでいない断筆解除後の作品も詳細に論じてあり、久々に筒井小説が読みたくなった。本書で紹介される作品群を見ても、筒井康隆が明らかな天才であるのを改めて思い知らされる。お薦め。2018/11/14

keroppi

52
私は、筒井康隆全集始め多くの単行本を蔵書し、ほとんどの著書を読んでいる大の筒井康隆ファン。その多くを網羅し、年代順に論じていく本書は、筒井さんの魅力を的確に伝えている。猛烈に、筒井さんの本を読み返したくなってしまった。2017/10/28

Carlyuke

43
筒井康隆は若い頃面白がって少々読んでいた作家。最近では「聖痕」以外どんな小説を書いているのかはあまり知らなかったが, 「モナドの領域」についてなるほど, こんな雰囲気の話かと多少のイメージを得ることができた。メタフィクションとかパラフィクションについての説明があり, 実験的な作品を書く作家であり続けたことを改めて確認・知る。個人的には言葉で遊ぶ辞書のパロディ系, 悪魔の辞典の翻訳本などの積読本を読んで行きたい。「筒井康隆自作を語る」も読了したい。2019/02/10

阿部義彦

28
実に読み応えが有りました。筒井康隆の文学的転機ともなった問題作を初期から順番に読み進み、この世界に類を見ない鵺のような小説家の変遷、野望、挑戦等などを歴史とともに解き明かします。著者の佐々木敦さんと同様に私も筒井康隆の一番のお気に入りは「虚人たち」なので、凄く相性も良かったですし初期の傑作として「脱走と追跡のサンバ」も重要作として取り上げてます。短編集にはここでは触れませんが、「夢の木坂」「文学部」「パプリカ」「残像に」近年の「ダンシング」「繁栄の」「世界は」そして「モナド」未読の「漸然山脈」まで。満腹2017/09/30

梟をめぐる読書

20
いま「筒井康隆」を論じるにあたって、恐らく最良の人物によって書かれた入門書。新書サイズの解説書でありながらデビュー作「お助け」から『モナドの領域』までをカバーし、さらには名作の影に隠れた中短編まで網羅するという大変な労作になっている。「SF作家」としての登場から「超虚構理論」の提唱、そして「断筆宣言」に至るまで、筒井康隆はまるで仮面を付け替えるように時代に合った「筒井康隆」を演じ続けており、膨大な作品や資料からその真意を探ることは容易ではなかったはず。筒井康隆を“GOD”と崇める著者の愛あってこそだろう。2017/09/29

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