内容説明
趣味は無防備な人の写真を撮ること、特技は恋愛についての屁理屈。２７歳園原栞、脳内で作り上げた実在しない彼氏がいる歴２年。親友１は勤務先の病院で妻子ある患者に一目惚れ。立派な不倫。親友２は会社内で貼り紙を掲示しての恋人募集。ヒモ彼氏付き。栞につきまとう後輩男子は夢のために突然会社を辞職！？困難と問題だらけのアラサー女子たちのうち、いち早くハッピーエンドに辿り着くのは誰なのか。
著者等紹介
針谷卓史［ハリヤタクシ］
１９７７年生まれ。第１３回三田文学新人賞受賞（本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです）
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感想・レビュー
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竹花 樒 - Shikimi Takehana
7
表題の意味が重い。アラサー、処女、脳内彼氏。これら三拍子を備えた「好き」が解らない女子・栞が親友二人の恋路の記録を収集して自らの「好き」を見つけるまでを物語る連作短編集。針谷卓史のレトリックが冴え渡る。恋を識らない女が記録を通じて恋愛にうつつを抜かしてその実「意味に飢えている」親友たちに共感を憶える中で、彼女らに関係する男たちの運命が交錯し、「物語」の外の余白で語りえない真の恋愛を経験をする男女の恋情が胸に沁みた。理屈ではないが、結末に意味はあるのだ。表題のレトリックに、「幸せ」とは何かを突きつけられた。2010/12/08
さつき
1
古本購入。はじめのほうは栞の思考回路が身に覚えがありすぎていたいいたいと思いつつ笑わずにはいられなかったのですが、「表現するものであろうとし続けたノミヤマ氏は、同時に全く他人の演じるものを見ようとしない人間であった。でも、それって実はクリエイティブなことから最も懸け離れた営為だ。」に我が身を省みて、予想外の角度から抉られてしまったなぁと思ったのでした。この中で一番普通というかまともな思考回路なのはノミヤマ氏ではなかろうかと。 というかノミヤマ氏の章が好きです。2011/07/19
ししゃもβ
1
すくえないお話がある。なので、うーん、と唸って最後をごちゃごちゃといじって、「よし、これでハッピーエンド」。2010/12/23
レトス
1
こういうのもひとつのハッピーエンドか2010/12/16
二人
0
キャッチコピーが気に入ったので、読んでみることに。こじらせた恋愛を続ける女性三人の恋愛譚。ほへー、と謎の感心をしながら読み進めてました。やってる事は真っ当ではないんですけど、愛着の湧くキャラが結構いましてね……。愛着というか、このままで大丈夫なんだろうか……みたいな。しかし、梅崎が嫌い。ラストは駆け足だったが、まぁ恋愛ってそんな物だよねと一人達観。不器用にも収まって、ハッピーエンド。 非常に読みやすい文章でした。2017/07/15
