内容説明
熊野へ向かう列車でキスをするカップルの女に淫蕩な血を幻視した「私」は、那覇、ランカウイ島、ワイキキ、金沢、ソウルを経巡りながら、存在を問い、死と向き合う。それぞれの土地の記憶から紡ぎ出された物語は、やがて語る自己を無化し、すべてをエロスへと解け出させてしまう―。交差点を探す連作短篇集。
著者等紹介
青山真治［アオヤマシンジ］
１９６４年福岡県生まれ。立教大学英米文学科卒業。’９６年、映画『Ｈｅｌｐｌｅｓｓ』の監督として劇場映画デビューし、日本映画プロフェッショナル大賞作品賞、新人監督賞を受賞。『ＥＵＲＥＫＡ』で第５３回カンヌ国際映画祭コンペティション部門に招待され、国際批評家連盟賞、エキュメニック賞をダブル受賞。主な監督作品に、『月の砂漠』『エリ・エリ・レマ・サバクタニ』『サッドヴァケイション』などがある。２０００年『ユリイカ』で小説家としてデビューし、三島由紀夫賞を受賞（本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです）
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感想・レビュー
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渡邊利道
4
まどろんで、青山真治の小説では結構好きで何度目かに読み返した。最初の話が好きで、あとは読読みながらでもよくなってくるのだが、何度も懲りずに読み直してしまう。世界のホテルを転々とする連作で、音楽や映画や小説の話題がずっと出くるのがどこか私小説っぽい。第一話を読んだ後にいつもオン・ザ・コーナーを聴き直してしまう。すごいかっこいいイントロだけがずっと続いているようなアルバム。読んだのは親本。2019/11/14
garth
1
「あなたはひとりではない。わかりますね？」（「地上にひとつの場所を！」）2010/04/23
ネムル
0
映画、音楽、小説と土地とが交差する場所。ゴダールとエレクトリック・マイルスと中上健次とか紀州で交差するらしい……ふぅん？2009/11/12
yoyogi kazuo
0
中原昌也に関係することが何か書かれていないかと思って借りて読んでみたが、なかった。2023/03/23
justdon'taskmewhatitwas
0
積読してる間に亡くなられてしまった。｢カンヌはハリウッドが嫌い｣と揶揄した『山田孝之のカンヌ映画祭』が3年前で、"中上健次全集"を背景にしたTVドラマもついこないだまであった。"巨人"たちがシステムに消費されていく昨今に届いた訃報。素晴らしいと書いてあったDavid Thomasの『Surf's Up』のカヴァーをYouTubeで聴いた。好きそうだなあと思った。(今月2度目の)R.I.P.2022/03/30
