内容説明
快男子風洪は学問に志し、武を捨てて商人・白圭と名告る。戦乱の国々を行き交う学者や商人たち。秦の孝公は覇道を進み、公孫鞅に厳格な法の体系をつくらせる。白圭は美しい翡媛を妻に迎え勇躍、魏に囚われた、天才軍略家孫〓を救い出す。法に生きる冷厳な男と、侠に生きる熱い血の男の、鮮やかな対比。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
KAZOO
65
2巻目ですが、まだまだこの本の主人公はあまり出てこないで養父が中心になっています。商人となり学問を志し、様々な国を行き来して様々な人物に出会うことがこの養父と息子のためになっていくのでしょう。宮城谷さんは本当に読者を引っ張っていくのがうまいですね。中国文学における司馬さんのような感じです。2015/04/15
とも
47
いやいや、堅苦しい中国の昔の話と完全に読まず嫌いだった自分を諌めなきゃなんない、面白さ。恐らく宮城谷先生の読者に優しい配慮から分かりやすく、読みやすく物語られているんやろうけど。主人公である筈の文がまだまだ幼く、白圭の格好良さが際立つ2巻。端々に人生訓も散りばめられ、「うんうん」と頷きながら読了。サクサク読めるし3巻に突入!2017/04/19
明智紫苑
42
エンターテインメント小説として実に優れている。人探しがらみのトリックは見事だ。しかし、あたしゃ、やはり宮城谷さんの描くヒロイン像が「生理的に無理」だわ。『ファイブスター物語』の巴のファティマ嫌いみたいなもんね。ああ、嫌だ嫌だ。私はFSSの「残念な美女」たちをこよなく愛するのね。2018/05/08
著者の生き様を学ぶ庵さん
38
第二巻にて風洪は剣を捨て、白圭なる商人に変化せり。嘗て世話になりし斉巨が暗殺され、子の斉召による仇討ちに加担す。また、兵法にて著名なる孫臏は臏刑に処せられ、将に誅殺されんとす。ここに斉召による仇討ちと孫臏の救出が融合し、義憤に駆られし白圭は師・呉立子とともに孫臏を救ふ。宮城谷昌光先生の師・海音寺潮五郎先生が作品に「孫子」あり、孫武のみならず、孫臏も登場す。見えざる師弟関係が綾を為し、別なる楽しみを見つけたり。プロの軍師・孫臏と、悪役として書かれし「兵学者」龐涓の幼馴染み対決は第三巻にて決着か。2015/11/23
佐島楓
34
風洪は白圭と改名、学問の道に生きることを誓う。まだまだ彼の物語ではあるものの、田文の成長もわずかに見て取れる。三巻へ。2015/02/15