講談社選書メチエ<br> 名作英文学を読み直す

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講談社選書メチエ
名作英文学を読み直す

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  • サイズ B6判/ページ数 294p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784062584937
  • NDC分類 930.4
  • Cコード C0397

出版社内容情報

東大教授と一緒に遊ぶ翻訳文学の豊かな世界名作として親しまれている英文学の原作テクストには翻訳を経ることで隠されたり変化したりする意味が存在する。こんなに笑える講義なら東大の英語も怖くない!?

内容説明

『秘密の花園』『赤毛のアン』=少女小説。『ロビンソン・クルーソー』『ホビット』=冒険小説。そう思い込んできたみなさん、慣れ親しんできたこうした作品には技アリ、しかけアリ、意外な意味がたくさん隠されているものです。「東大生だって、英文学に通暁しているわけじゃない。恥ずかしながら五十路になってやっと、そんな学生たちの微妙な空気を読み取っておもしろおかしい講義ができるようになった(はず)」とのたまう東大教授が、豊穣な英文学の世界に案内。

目次

第1部 物語の中の「もう一つの物語」(隠されたテクスト―『秘密の花園』にはどんな花が咲いているのだろう?;『ロビンソン・クルーソー』とモノモノモノ―モノの饗宴と小説の誕生;ほんとうはこんなに笑えるトールキン―ユーモアのレトリックを発掘する;『赤毛のアン』現象を読む―ひそかに抹殺された「物語」)
第2部 時代が生み出した「別の物語」(不倫千年―アーサー王伝説を造り上げてきた三角形;つわものたちの夢―マクベスの主題にもとづく変奏曲;変貌するテクスト―『荒涼館』にはなぜ様々な花が咲くのだろう?)

著者等紹介

山本史郎[ヤマモトシロウ]
1954年、和歌山県生まれ。東京大学教養学部卒業。同大学院人文科学研究科(英語英文学専門課程)博士課程中退。大阪市立大学助教授、東京大学助教授を経て、東京大学大学院総合文化研究科教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

viola

14
借りてきて気がつきましたが、つい先日読んだ『東大の教室で赤毛のアンを読む』と同じ著者でした。どーりで面白いはずだわっ!!今回は『秘密の花園』、『ロビンソン・クルーソー』、トールキン、『赤毛のアン』、アーサー王伝説、『マクベス』、『荒涼館』がメインです。大爆笑できるくらい面白い!翻訳の面白さにも言及があるので、翻訳や英文学がお好きな方には強くお勧めします。 2011/04/10

壱萬弐仟縁

5
衣食の変化は生活革命というようだ(54頁)。衣服革命、食事革命とも換言されている(57頁)。オリジナリティ(独創性)という概念は18世紀に誕生。今、日本にはこの独創性が求められている。技術革新無くして成長はないし、所得も上がらないのだから。ウィリアム・モリスの「グウィネヴィア」は知らなかった(191頁)。王妃とランスロットの不倫でアーサーの理想は潰え、国が滅亡。また、カフカはディケンズから物語の中心にブラックホールを据える手法、意味の中心を真空にする仕掛けを学んだとのこと(278頁)。文学者の知的交流。2013/05/04

Abiko Eiichi

2
赤毛のアン、ロビンソン・クルーソー等の名作英文学を題材に、作品背景や作者の隠された意図を発見する読み方を解説してくれる書です。小説はストーリーを楽しむものですが、その作品が書かれた時代や作者の経歴を織り交ぜながら読むと、文章がより濃厚に楽しめます。私が特に面白いと思ったのは翻訳技術の妙です。ただ英文を正確に訳すだけでなく、文章の意味、意図、効果、音を総合的に組合せ、絶妙の日本語を創造することが翻訳者の仕事だといいます。翻訳者の知識、技術を結集した名訳との出逢い。海外作品を読む愉しみがまた一つ増えました。2018/02/10

Takao Terui

2
誰もが耳にしたことのある英文学の傑作について、刺激的な知見をもたらす本書は、砕けた口調を改めれば、一編一編が文学研究の秀逸な論文たり得る。だが、何より素晴らしいのは、語り手たる筆者が誰よりも作品の読み解きを楽しんでおり、その高揚が読み手にも伝わることだ。 註にまで紛れ込んだ筆者の遊び心は、一読に値する。 非常に風通しの良い、爽やかな読み応えの文学研究。2014/07/19

タイコウチ

2
取り上げられているのは、「ロビンソン・クルーソー」「赤毛のアン」「ホビット」「マクベス」など恥ずかしながら読んだことのない作品ばかりだが、背景や粗筋など丁寧に紹介した上で(上滑りしがちなオヤジギャクを交えて)読みどころが語られているので、どれもそれなりに面白く読めた。「赤毛のアン」や「ホビット」では翻訳の奥深さについて考えさせられる。時代の流れは、基本的に「すべて訳す」ということになっていると思うが、かつての「あえて略す」の功罪の判断は単純ではない。ちなみに著者は「あえて意訳までする」派であるようだ。2012/09/19

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