内容説明
12世紀。戦わずして勝つをモットーに、「世界の富の三分の二」を駆使し、世界帝国として君臨したビザンツ。目眩めく祝祭、膨大な多民族軍、老獪な外交。ローマ一千年の智恵を結集し、地中海の盟主の座を守り続けた老大国の華麗なるサバイバル戦略。
目次
第1章 血族と混血児の宮廷
第2章 微笑と歓待による「戦争」
第3章 コンスタンティノープルという名の「快楽」
第4章 多民族軍団の世界制覇事業
第5章 白日夢の終焉
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
秋良
6
同じ地域で、オスマントルコ史については読んだことあるけどビザンツ史は初めて。武力でなく、金や外交交渉で帝国支配するのは流石。ただ、軍事力もしっかり無いと、やっぱり周辺諸国を従え続けることは難しいのかな。2016/06/09
nizi
5
マヌエル一世コムメノスを軸にビザンツ帝国コムメノス朝の歩みを情緒的に語っていく。古代ローマ帝国を目指した男の栄光と挫折が眩しい。講談社選書メチエのため学術的な筆致だが、著者の抑えきれない憧憬が文体からにじみ出る。漫画でお馴染みアンナ・コムネナはマヌエル一世の叔母に当たる。2025/02/01
富士さん
5
再読。11世紀から12世紀にかけてビザンツに君臨したコムネノス朝の3代目、マヌエル1世をテーマにした本。ビザンツの通史は比較的見ても、一部を切り取った特殊論は稀有なものです。古代的な地位に根差した集権制が崩れ、中世的な個人的な関係に依存した支配がこの時代のビザンツに方針として採用されたことがわかり興味深いと同時に、普遍帝国としてのソフトパワーをどのように利用しつつ維持するかに腐心する姿は示唆に富みます。カネで平和を買うにしても、それを誇りを持って「選択した」と言えるかどうかが重要なのではないかと思います。2021/02/27
スミレ雲
5
【図書館本】最初、面白く読んでいたが、途中で挫折したかも。知識不足によるところが大きんだと思う。西洋とは違う世界があるんだと思った。2018/05/14
たぬき
5
ビザンツ帝国軍の民族構成が ワルシャワ機構軍の民族構成に似ているのは 位置的な相似性だよね2012/12/13
-
- 電子書籍
- 武錬天下【タテヨミ】第341話 pic…