出版社内容情報
告白を決意した中学生、息子と話したい父親、遠距離恋愛中の女。遊園地が終わる日、２２人の喜怒哀楽が溢れて混ざって打ち上がる。廃園が決まった遊園地『星ヶ丘ハイランド』の最後の一日を描く連作短編集。中学生の団体、年の離れたカップル、親子連れや老人夫婦らが、さまざまな思いを胸にハイランドを訪れる。二度と会えない相手との別れ際に、かけるべきる言葉とは？【本作品のタイトルは「本づくりプロジェクト」で一般公募により選ばれました】
行成 薫［ユキナリ カオル］
著・文・その他
内容説明
閉園が決まった遊園地『星が丘ハイランドパーク』の最後の一日。中学生の団体、年の離れたカップル、親子連れや老人夫婦らが、さまざまな思いを胸にハイランドを訪れる。二度と会えない相手との別れ際に、かけるべき言葉とは？２２人の喜怒哀楽が、溢れて混ざって打ち上がる。
著者等紹介
行成薫［ユキナリカオル］
１９７９年、宮城県生まれ。東北学院大学教養学部卒業。２０１２年、『名も無き世界のエンドロール』で第２５回小説すばる新人賞を受賞しデビュー（本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです）
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感想・レビュー
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chiru
114
すごくあたたかいお話でした🎡 30年以上愛された、遊園地最後の1日を描く物語。幼い記憶の中の“楽しい一日”と言えば｢遊園地｣。成長と反比例するように、家族で手をつないだ日々は過ぎ去り、秘密が増え、迷子のように道を見失う登場人物たち。一番心に残った『時計職人と認知症の妻』がとてもよかった。記憶を失っていく妻にそっと寄り添う夫。ふたりの積み重ねてきた時間は巻き戻せないけど、暖かな思いは続いていく。そして幸せの形はひとつじゃないと教えてくれる。｢さよなら｣よりも｢また、いつか!｣が似合うラストでした🎠 ★42021/08/15
ﾓﾙｸ
98
30年の歴史を経て、遊園地「星が丘ハイランドパーク」は閉園の日をむかえる。ここを舞台としておりなす６編。友人、恋人、親子、夫婦そしてスタッフの思いがそれぞれの視点でアトラクションを交えて語られる。最終日に見せる久々の賑わいと、その中で感じられる哀愁。大観覧車とメリーゴーランドがそれを一層引き立てる。そして、この日、この場所で何かを決断した人たち、それが最終章で再び集結する。さよなら、またね…お別れだけど、これが終わりではない。2020/01/07
ちーたん
79
★★★★★30年の歴史に幕をおろす『星ヶ丘ハイランドパーク』その最後の日に訪れる客と職員のお話。天候は雨。午後には回復の兆し。喧嘩して疎遠になった友人、月に1度しか会えない親子、遠距離恋愛の恋人、夢を共に追いかけた先輩、30年前を知る老夫婦、略奪愛。彼らが閉園する遊園地で迎える小さな1歩。特に感動したのが老夫婦の話。記憶を失っていく妻とそれを支える夫の愛が彼らの素敵な想い出と共に今に輝きを与える。このお話だけでも実写化して欲しい。親しみある場所が無くなるのは切ないけど心の中できっと生き続ける！またね！2020/01/13
papako
76
電子書籍で発売前に500円だったので、面白そう？と買いました。朝のラジオでも遊園地が話題になってたし。あんまり期待してなかったのに、なんかよかった！遊園地の閉園最後の日に訪れる6組のお話、少し重なっていたり、交差したり。ほろっとさせられたり、きゅんとしたり、グッときたり。セナパパさん、そりゃ、お前が悪いわ。調子良すぎだ！イソタニくん、残念だったね。マギー&ジョニーの怪人、見たいわぁ。文章が好みじゃないところもあったけど、読んでよかった。2018/06/01
さっこ
74
30年続いた遊園地が廃園となる日に、訪れた人々の思いや出来事が描かれていました。それぞれの人生のアクセントに遊園地があって、楽しかった昔を懐かしむほろ苦さや、ここをきっかけに始まる人生もあったり。老夫婦のお話がなんか切なくて苦しかったな。2021/01/02
