珠玉の短編

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  • サイズ B6判/ページ数 253p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784062201247
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

出版社内容情報

恋愛、友情、自尊心――人間の欲望の行き着く先は、グロテスクでブラックで愛おしい。詠美ワールド全開の11編の絶品をご堪能あれ。★第42回川端康成文学賞受賞作「生鮮てるてる坊主」収録!★

奈美はある夫婦と親しくしているが、妻の虹子よりも、夫の孝一の方に深い友情を感じている。虹子にまつわる問題を二人で解決することで、更に親密度は増していく。しかし、孝一の出張中の雨の日を境に、三人の関係に歪みが生じ始めて…。(「生鮮てるてる坊主」)

神戸美子は幼い頃からありとあらゆる悪意を一身に受けてきた。中学の時、ついに長年の恨みが念となって同級生の男子を襲う。世にも稀な復讐の才能を手に入れた美子は、教祖と信者を兼任するひとり宗教「みこちゃん教」を設立することに…!?(「自分教」)

スプラッタ描写に定評がある作家・夏耳漱子は、自作に最も似つかわしくないはずの「珠玉」という惹句に取り憑かれてしまった。やがて頭の中で珠玉たちが地位向上と種の保存を騒ぎ出して…!?(「珠玉の短編」)

恋愛、友情、自尊心――人間の欲望の行き着く先は、グロテスクでブラックで愛おしい。詠美ワールド全開の11編の絶品をご堪能あれ。

「自分教」
「命の洗濯、屋」
「生鮮てるてる坊主」
「骨まで愛して・・みた」
「箱入り娘」
「蛍雪時代」
「サヴァラン夫人」
「虫やしない」
「珠玉の短編」
「鍵と鍵穴」
「100万回殺したいハニー、スウィート ダーリン」


山田 詠美[ヤマダ エイミ]
著・文・その他

内容説明

“珠玉”に取り憑かれた作家の苦悩を描く「珠玉の短編」、第42回川端康成文学賞受賞作「生鮮てるてる坊主」など11編の“絶品”をご堪能あれ。

著者等紹介

山田詠美[ヤマダエイミ]
1959年、東京都生まれ。85年に「ベッドタイムアイズ」で第22回文藝賞を受賞してデビュー。87年に『ソウル・ミュージック・ラバーズ・オンリー』で第97回直木三十五賞、89年に『風葬の教室』で第17回平林たい子文学賞、91年に『トラッシュ』で第30回女流文学賞、96年に『アニマル・ロジック』で第24回泉鏡花文学賞、2001年に『A2Z』で第52回読売文学賞、05年に『風味絶佳』で第41回谷崎潤一郎賞、12年に『ジェントルマン』で第65回野間文芸賞、16年に「生鮮てるてる坊主」で第42回川端康成文学賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ミカママ

472
かつてエイミーの作品を、エッセイから短編集から貪るように読んでいた自分がいた。彼女の厳しすぎるほどの言葉の選び方、心がシクシクするような文章が大好きだったのだけれど。あの頃のエイミーにはもう会えないのだろうか。週刊誌に掲載されるエッセイも最近は飛ばしてしまうことすらある。読者も変われば作家さんも変わるよね。残念なことだ。2020/06/09

しんごろ

203
【サイン本】装丁とタイトルとサイン本に惹かれて買ったんですが、まったくもってイメージが違いました(^^;)クスッと笑えるユーモアな作品、ブラックな作品、ちょっと怖い作品、明るいエロ?な作品と多彩な11編からなる短編集!面白かったです(^-^)みんなにオススメできる本です。とくに疲れがたまったおっさん(俺も含む)にオススメします(笑)あっさりさがたまりません(^^)『珠玉の短編』『自分教』『骨まで愛して・・みた』が個人的に面白かったです。BGMにはMy Little Loverがいいかも(^^;)2016/11/21

starbro

186
山田詠美は、新作中心に読んでいる作家です。川端康成文学賞受賞作を含む短編集なので、純文学的なリアル「珠玉の短編」集かと思いきや、山田詠美らしいエロスとブラックユーモアに塗れたファッキンな小説集でした。オススメは第42回川端康成文学賞受賞作の「生鮮てるてる坊主」と『100万回生きたねこ』のオマージュ?作品「100万回殺したいハニー、スウィート ダーリン」 です。『100万回生きたねこ』のピュアなファンは激怒するかなぁ?2016/07/18

風眠

126
山田詠美って、こんな作風だったかな?不条理ギャグのような軽〜いノリで読者を油断させておいて、くるりと手のひらを返す。「まやかしの珠玉、最高の顰蹙をあなたに」という帯のキャプション。うーわ!まさに!・・・だけど嫌いじゃない。いや、好きです!飾る言葉や濃厚な描写をすべて削ぎ落とした状態、つまり、最初にぽんと浮かんだものを、できる限りそのまま保って書いたのだろうなと思う。結果として、人間の腹黒さ、弱さ、といった本質をえぐり出しているから説得力がある。新境地にして、いきなり傑作な短篇集。作家の凄味、ここにあり。2016/07/23

優希

113
川端康成文学賞受賞作を含む短編集。久々に山田詠美作品を読みましたが、いい意味で振り切っている感じがしました。濃厚な愛憎や性癖を描いているにも関わらず、下品になることなく、ブラックな魅力へと昇華しているのは流石としか言いようがありません。友情、愛情、自尊心といった欲望の行き先を美しく描き出していると思います。絶品で奇妙な味を堪能しました。2017/10/21

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