愚民文明の暴走

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愚民文明の暴走

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  • サイズ B6判/ページ数 223p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784062188982
  • NDC分類 304
  • Cコード C0095

出版社内容情報

なぜ日本はこんなに偽物が溢れかえった、おかしな国になってしまったのか? 「正しい価値判断とは何か?」を徹底的に論考した一冊食品の偽装表示問題しかり、秘密保護法案反対デモしかり、自民党独裁から民主党そして自民党への反動票しかり、市場主義経済への賛成または反対しかり、「民意」という名の価値観のブレそのままに、ものごとの判断基準が揺れ動きつづけている時代。偽善、偽装、偽造が根深くはびこる現代ニッポンはこれからどこへ向かおうとしているのか? いったいいまの世の中において正しい考え方とは何なのか? 無責任極まりない近代大衆社会の病について深く洞察し、民主主義・人権主義の偽善について警鐘ならしつづけてきた評論家・呉智英と、「B層」をキーワードに、大衆社会の落とし穴を指摘し続けている新進気鋭の哲学者・適菜収が、現代ニッポンの真の「病の姿」を赤裸々にあばき、その解決法について徹底的に考察し論じ尽くす。いったい何が正しい考え方で、何が間違った思考法なのか。哲学的、社会学的、歴史学的見地から現代人が、世の中の悪癖から解き放たれ、より良く自分の生を生きぬく思考の術を手に入れられる必読の書だ。

目次
第一章 バカは民主主義が好き
ポピュリズムとは何か?
普通選挙はもう止めよう
フランス革命の欺瞞
大江健三郎の精神構造
道徳の扱い方
在特会は市民運動
若さを礼賛する愚
橋下徹と全体主義
正義の暴走について
ネットで一番強いのはバカ
職人と大衆社会
第二章 キリスト教と宗教の本質
宗教の起源
ニーチェとキリスト教
キリスト教はなぜ世界を支配できたのか?
パウロ教と辻邦生
歴史を変えた殉教者
矢野顕子とハルマゲドン
今なぜ荘子思想なのか?
第三章 吉本隆明という「共同幻想」
吉本信者とスターリニズム
親鸞と「関係の絶対性」
マルクス主義と独我論
日本映画がくだらない理由
知識人の自己顕示欲
「ナロードの中へ」と叫ぶ奴
東日本大震災と絆
愉快犯と真性バカ
三島由紀夫はなぜ死んだのか?
第四章 B層社会の反知性主義
指導者と制度外的思考
仏教に注目した西洋人
ギャンブルと脳内麻薬
セックスと権力志向
革マル・天理教・中島みゆき
田中角栄の学歴詐称
第五章 「保守」とは何か?
民主制と共和制の違いとは
自称「保守」の暴走
本居宣長と八百万の神
近代国家の中の皇室
世俗国家と宗教国家
第六章 民主主義か哲人主義か
誰が指導者か
選挙免許制度のすすめ
デモクラシーと排除の構造
フェミニズムと反知性主義
英雄待望論の背景
左翼に足りないのは教養
官僚批判の構造とエリートの条件


呉 智英[クレ トモフサ]
著・文・その他

適菜 収[テキナ オサム]
著・文・その他

内容説明

「みんなで決める」は本当にいいことなのか。B層社会にはびこる「反知性主義」について徹底討論。

目次

第1章 バカは民主主義が好き
第2章 キリスト教と宗教の本質
第3章 吉本隆明という「共同幻想」
第4章 B層社会の反知性主義
第5章 「保守」とは何か?
第6章 民主主義か哲人政治か

著者等紹介

呉智英[クレトモフサ]
1946年生まれ。評論家。知識人論からマンガ評論まで、幅広い分野で執筆活動を展開

適菜収[テキナオサム]
1975年生まれ。作家・哲学者。大衆社会論から政治論まで幅広い執筆展開中(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

厩戸皇子そっくりおじさん・寺

69
呉智英が好きなので読む。適菜収もかつて著書を2冊ほど読んだ。いざ読むとやはり呉智英の話の方が面白い。適菜収という人は、古典ベースの政治巷談家だと思う。私が学生だったらもっと夢中で読んだかも知れない。救心や六神丸が早漏に効くとは知らなんだ。そういった事も含め、知識や教養は増える1冊には違いない。民主主義と反知性主義の否定がテーマの対談本である。共感したり疑問を感じたり。そりゃ私も愚民の一人なのである。2018/07/07

さきん

28
こういう対談は読んでいて楽しい。どんどん話が盛り上がり、知的な話題がどんどん飛び出してくる。タブーなしにどんどん発言するから、一般のニュースや報道から見えない側面が洗い出されて勉強になる。初めて適菜氏の本を読んでから、さらに多くの古典を読み重ね、やっと言っていることの理解がしやすくなってきた。本書を肥やしにさらに古典を呼んで、勉強していきたい。2017/03/14

harass

26
呉智英の新刊。実に面白く一気に読めた。細かな正誤は気にしなかった。悪口芸と言論と知識人への根本的な批判に唸らされる。最近の社会問題などについてや保守系も左側もぶった切りまくる。ネットで目立つ衆愚の件も語る。吉本隆明への発言は自分にとって何の思い入れもないが薄々感じていたことだ。正直言って対談相手はこの本で初めて知ったのだが、うーむ。良くも悪くもネット言論的な人かなという印象。二人のスタンスが異なっている箇所がいくつも見えて、呉がスルーする場面が多い。2014/09/04

壱萬弐仟縁

25
適菜先生は、安倍晋三は「憲法を改正して一院制にしろ」などと言っていますが、こういう人間が首相になってしまうのが、大衆社会の恐ろしいところ(13頁)。衆院の暴走を回避し、慎重審議の参院の役割もある。また、本を読んでもいないようなのがコメントを書いてくる。本に書いていないことを捏造して批判(46頁)。わたしの場合、そうしたことがないために、出所の頁数を明記しております。出典明記は基本だと認識している。呉先生によると、五来重(1908-93)は民族学者で、    2014/07/17

フリスビー

19
★★☆☆☆「民衆」と「大衆」の違いについて考えさせられました。しかし、なにぶん適菜氏が力不足で、議論が中途半端に表層的だったのが残念です。ちょっと格が違いすぎましたね。ただ、ニーチェに関する本(名言集の類ではないもの)は読んでみたくなりました。2014/08/04

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