エウレカの確率―経済学捜査員伏見真守

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  • サイズ B6判/ページ数 307p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784062188210
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

出版社内容情報

川崎で起きた連続殺人事件。同一人物の犯行と断定した特捜本部に、異を唱える経済学者の捜査員が加わった──異色警察ミステリー!

川崎市高津区で連続殺人事件が発生した。所轄署に県警その他の応援を加えた総勢100名を超える特捜本部は、次の犯行を防ぐべく捜査を開始した。現場に残された証拠品や犯行手口からして、捜査本部は同一人物の犯行と断定していた。だが、ひと月が経っても殺人犯は捕まらず、それどころか解決の糸口さえ見つからない低調ぶりだった。そんな折、疲労感漂う捜査本部に新たな捜査員が加わることになった。一人は科学警察研究所から来たプロファイラーの盛崎。そしてもう一人は、捜査員としては本邦初と思われる行動経済学者・伏見真守だった。伏見は経済学を駆使して独自の捜査を開始する。盛崎のプロファイリングによって捜査は進展を見せ始めるが、同一犯人説が大勢を占める中、伏見は独り、3件の殺人のうち1件は別の人物の犯行であることを主張する。経済学者VSプロファイラー。真犯人にたどり着くのはどっちだ!

内容説明

「僕が解決できるのは殺人事件の30%だけです」難航する連続殺人事件の特捜本部に乗り込んできたのは、なんと経済学者だった―。

著者等紹介

石川智健[イシカワトモタケ]
1985年、神奈川県生まれ。25歳のときに書いた『グレイメン』で2011年に国際的小説アワード「ゴールデン・エレファント賞」第2回大賞を受賞。2012年に同作品が日米韓で刊行となり、26歳で作家デビューを果たす。現在は医療系企業に勤めながら、執筆活動に励む(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

もりのくまお

62
行動経済学を専門とする捜査員伏見が連続殺人事件に挑む異色のミステリー。行動経済学は、要するに誰に最も事件を起こす動機があるかを分析するということだと私は理解しました。動機がある人物が分かるのはいいのですが、肝心の殺人のトリックは全般推測の域を越えないところがあり、証拠が弱い気が。しかも、伏見自身がバイアスが掛かってしまっていて最初の犯人を見落とす始末。読者である私のほうが最初の殺人事件の真犯人が分かってしまってもやもや感が残りました。続編が出るなら、行動経済学をもう少し有効に使った話にして欲しいところ。2014/07/26

いたろう

54
プロファイリングvs行動経済学。経済学の知識で殺人事件の犯人を見つけるという設定は興味深いが、プロファイリングと比べて少々ピンと来ないところも。期待効用とか言っても、単に動機の強さ、確率の問題でしかないし、「合理的な殺人」のケースにしか使えず、衝動的な殺人の場合は役立たないと逃げを打っているのもちょっと苦しい感じ。で、これって結局、経済学は事件の解決に役立ったの?2014/07/23

yukision

48
殺人事件を経済学の観点から捜査するという新鮮な設定だったので飛びついた。行動経済学の知識はほとんどないが、日常生活でも応用できるような理論も面白く、ストーリーも悪くない。メインの女性刑事に覇気がなく魅力に欠けるのが残念だけど、シリーズのようなので続編も読みたい。2020/08/05

クリママ

44
解決の糸口がつかめない連続殺人事件を行動経済学者とプロファイラ―が解き明かしていく。アメリカで学んだ行動経済学で事件を見立てる伏見と組む、後ろ向きで覇気がない女性刑事。前に読んだ「60」では、うだうだしていた登人物たちが後半にかけて魅力的になっていったので、いつになったらやる気がでてくるのかと期待していたが、それは2作目以降のことになるようだ。経済学で解説される部分はキツネにつままれたような新鮮さ。もう一つ伏見のキャラがつかめないが、全体的にべたべたどろどろでないさっぱりさがわりと好きかも。2019/11/09

のらのこねこ

32
行動経済学なるものを用いての捜査という変わった刑事推理もので中盤までは息をもつかせぬ展開ですがオチがちょっとな・・と。「消去法で行けば犯人は決まっているけどまさかね~あら当ったわ」って感じです。味付けにこだわった結果『行動経済学による推理』という素材がぼやけてしまった様な残念さがあります。名前は登場している遠矢七海も使いどころが見当たらずほったらかし状態だったのではないのかと思いました。2014/11/07

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