あなたにだけわかること

電子版価格
¥1,562
  • 電書あり

あなたにだけわかること

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ B6判/ページ数 204p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784062183383
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

出版社内容情報

忘れたいはずの相手なのに、なぜいつも出会ってしまうのだろう?直木賞作家が描く、男と女の「愛よりも深い関係」。

直木賞受賞作『切羽へ』をはじめ、大人の恋愛と一筋縄ではいかない関係を描いて独自の魅惑的な小説世界を展開する著者が、男と女の「愛ではないけれど、愛よりもかけがえのない関係」を描く長編小説。
桐生駿と野田夏が初めて出会ったのは共に5歳のとき。夏の父に恋をした駿の母が、密会のため息子を連れて夏の家に通ったからだ。親同士の情事の間、それとは知らず階下で待っていた幼い二人は、やがて親たちの関係を知る。以来、別々の人生を歩み始めた二人は、互いに「できれば思い出したくない相手」と感じながらも、なぜか人生の曲がり角ごとに出会ってしまう。まるで、互いの恋愛の証言者のように・・・。それぞれおろかな恋愛を重ねながら、人生における愛のどうしようもなさを受け入れていく男女の関係を描く長編小説。

【著者紹介】
井上荒野(いのうえ・あれの)
1961年2月4日、東京都生まれ。成蹊大学文学部英米文学科卒。父は作家・井上光晴。1989年、「わたしのヌレエフ」で第1回フェミナ賞受賞し作家デビュー。2004年、『潤一』で第11回島清恋愛文学賞、2008年、『切羽へ』で第139回直木賞を受賞。2011年、『そこへ行くな』で第6回中央公論文芸賞を受賞。2013年、『つやのよる』が映画化され話題を呼んでいる。他の著書に『もう切るわ』『ひどい感じ』『だりや荘』『しかたのない水』『ベーコン』『夜を着る』『誰よりも美しい妻』『静子の日常』『もう二度と食べたくないあまいもの』『だれかの木琴』『結婚』『夜をぶっとばせ』等多数。

内容説明

桐生駿と野田夏が出会ったのは5歳のとき。駿の母と夏の父が不倫の恋に落ちたからだ。密会を重ねる父母の情事のあいだ、それと知らず共に過ごした幼いふたり。以来、思い出したくない記憶を封印し、それぞれの道を選んだふたりなのに、なぜか人生の曲がり角ごとに出会ってしまう。まるで、互いのおろかな恋愛の証言者のように…。男と女の“恋愛よりも深い縁”を描く長篇小説。

著者等紹介

井上荒野[イノウエアレノ]
1961年、東京都生まれ。成蹊大学文学部英米文学科卒業。1989年、「わたしのヌレエフ」で第1回フェミナ賞を受賞しデビュー。2004年、『潤一』で第11回島清恋愛文学賞、2008年、『切羽へ』で第139回直木賞を受賞。2011年、『そこへ行くな』で第6回中央公論文芸賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

Lara

75
桐田駿の母と、野田夏の父が不倫関係にありその情事の間、子供の二人で時間を過ごしていた。その後も、事あるごとに 出会う二人だが、恋愛感情もなく、そんな関係にも発展せず。別々の人生を歩むが、事に触れ出会う二人、なんとも不可解で、不可思議な関係。もやもやして、なんだかどうしてよいのか判らず。2023/03/18

なゆ

71
ドロドロしながらもどこか薄情なような荒野さんの書く世界。苦手だと思いながらも引き寄せられるのは何故だろう。ただ、この本はこのタイトルがすごくいい。読んでやっとわかるこの意味。親同士の不倫の逢瀬に連れて行かれていた、幼い駿と夏の、成長し、恋愛し、それぞれに結婚していくなかでの、無視できない存在。子供心に奇妙な記憶として残り、それがのちに影響しなかったとはいえないのかな。ただ、夏の父親と駿の母親の間にずっとあったものが、すごく強烈で印象的。とても身勝手だけど、最後の最後でそうくるとな~。ちょっとしみじみ。2017/04/05

taiko

57
それぞれの父と母の逢瀬に連れていかれていた幼い少女と少年。大人になった2人は、なるべくなら思い出したくない関係、でもときどき思い出してしまう関係になった。…夏と駿、2人の異常とも言える関係、そこに絡めた2人の人生が、とても興味深く、好みの作品でした。2人が成長していく過程で出会った人たちとの繋がり、それぞれへの思い、根底にあるのは親の存在。幼少期の親の影響力の強さを思い知らされる思いでした。最後まで一気読み。面白かったです。2017/04/26

Yuna Ioki☆

56
1352-48-9 井上荒野作品発読み。出てくる人物のほとんどがオシモのゆるい方ばかり(¯―¯٥)純文学でもなさそうだし。何が言いたいのかわからぬままに読了。2016/04/04

nyanco

55
井上荒野節だなぁ…5歳の子供の手を引いて不倫相手に会いに行く母。秘め事の間、階下で待たされる少年少女。こんな幼児体験したらあかんでしょ…と思うのですが、井上荒野らしいなぁ…とも。成長とともに、幼い日々の体験の意味を知っていく彼ら。夏のことや少し心配したけど、想像していたよりもずっと彼らはまともに育ったね。高校生時代の駿と夏の話がとても良かった。大好きな千秋を自分から手放してしまった夏の話が凄く良い。その後、人生の節目節目で出会う二人。一気読みでしたが、高校時代の彼らの話をもう少し深く読みたい気もしました。2013/06/28

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/6632800
  • ご注意事項