嵐のピクニック

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  • サイズ B6判/ページ数 185p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784062177047
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

出版社内容情報

優しいピアノ教師の狂気、ボディビルにのめりこむ主婦、猿山の猿が起こす奇跡……奇想天外、前代未聞、野間新人賞作家初の短編集!!

優しいピアノ教師の一瞬の狂気(「アウトサイド」)、ボディビルにのめりこむ主婦(「哀しみのウェイトトレーニー」)、カーテンの膨らみから広がる妄想(「私は名前で呼んでる」)猿山の猿が起こす奇跡(「マゴッチギャオの夜、いつも通り」)……奇想天外、前代未聞、野間文芸新人賞作家の想像力がはじけ飛ぶ、13の“アウトサイド”な短篇集!(初出:群像「13の“アウトサイド”短篇集」改題)

内容説明

優しいピアノ教師が見せた一瞬の狂気を描く「アウトサイド」、ボディビルにのめりこむ主婦の隠された想い(「哀しみのウェイトトレーニー」)、カーテンの膨らみから広がる妄想(「私は名前で呼んでる」)、動物園の猿たちが起こす奇跡をユーモラスに綴る「マゴッチギャオの夜、いつも通り」、読んだ女性すべてが大爆笑&大共感の「Q&A」、大衆の面前で起こった悲劇の一幕「亡霊病」…などなど、めくるめく奇想ワールドが怒涛のように展開する、著者初にして超傑作短篇集。

著者等紹介

本谷有希子[モトヤユキコ]
1979年生まれ。2000年「劇団、本谷有希子」を旗揚げし、主宰として作・演出を手がける。2006年上演の戯曲『遭難、』(講談社)で第10回鶴屋南北戯曲賞を史上最年少受賞。2008年上演の戯曲『幸せ最高ありがとうマジで!』で第53回岸田國士戯曲賞受賞。小説では2011年に『ぬるい毒』(新潮社)で第33回野間文芸新人賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

めろんラブ 

140
書く筋肉(腕じゃなくて脳の)、それも瞬発力に関係する筋肉が異常に鍛え上げられていると、その作品に触れるたびに感嘆させられる本谷さんの最新刊。本作は13の超短編からなるまさに「嵐のピクニック」。毒気のあるシュールさは健在。日常に巣食う危うさを狙い打ち、瞬時に非日常へ反転させる手腕の鮮やかさには舌を巻く。速すぎて見えない秘孔突きもあって、理解する前に「もう死んでいる」状態になったりするのも本谷作品の醍醐味wこれが初・本谷だと???となる可能性があるかも。既刊書を読んでからの方がオススメかな♪2012/09/23

風眠

140
シュールで毒っ気たっぷりで、どこかユーモラスで悲しげで、不条理コントみたいなSFみたいな短篇集。どことなくミランダ・ジュライっぽい。はっきり言って「どーでもいい」みたいな話なんだけど、ものすごーく面白い! 壊れてる人間というか、女の業というか、突き抜けてて、でもどこか可愛くて・・・そういう女の人の描写が素晴らしすぎる。中でも『Q&A』と『袋とじ人間』の壊れっぷりはアッパレでした。「傑作です」という帯のキャプションはだてじゃなかった。ショート・フィルムっぽい感じで映像化しても面白そうな雰囲気だな。2012/08/06

kazu@十五夜読書会

98
初本谷 有希子著書。題名通り、最初の表紙・目次?微妙に活字がハイテンションに躍っていて、この本を先に読み感想を書いておられる、お気に入りさんの「ノッテ」いるときのコメントを思い出した。読みすすむにつれ、嵐に巻き込まれ不思議な世界に迷い込みヒャッホゥ(*゚ロ゚)ハッ!!生還できるのか?嵐の中から『バイビーバイビーバイビー』追記:試着室の移動(>_<)これから利用の時動き走り出さないか?余計な心配の種が増えてしまったわ。2013/03/01

あつひめ

92
自分の心…自分ではどうにもならない。まるで別の生き物のような心。答えなんてなにもない。正解も不正解もない。ただ、流されるように生きるのが人間なのかもしれない。行き止まりではないけど…行けども行けどもたどり着けないそんな物語がズラリと並んでいる。もしかしたら…本当に人間らしい心の迷いを並べているかもしれない。2013/12/19

kana

90
名翻訳家の岸本佐知子氏が「本の雑誌」で2012ベストとしてとりあげるような、つまりはそういう奇想短篇集。ボディビルダーを目指す主婦や亡霊病を発病して壮絶な最期を迎える女性やチンパンジーと交流する動物園の猿などが登場し、小気味良いテンポで進む様に心が沸き立ちます。けれどどこか哀愁が漂うというか、時にじりじりと追いつめられるような気持ちになるのは、日頃オブラートに包まれた本音や真実に、この突拍子のない愛すべき小品たちが連なっているように思えるからかもしれません。「パプリカ次郎」「Q&A」が特にお気に入り。2012/12/28

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