出版社内容情報
20人の作家がとらえた、文学の現在 ベテランの秀作から、新鋭の野心作まで、2010年に発表された短編小説から精選した20編を収録。新・芥川賞作家の朝吹真理子など、文学の今がわかる決定版。
内容説明
2010年刊行の文芸誌発表作品から精選した、20篇の小説集。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ひねもすのたり
2
短編集に入っていた青山七恵の作品以外は初読。 高村薫は粘着気味の文章があわなくて長編に手がでないけど、客観的に読むなら本当に巧い作家であることを再認識しました。 中上紀はアンソロジーで見かける程度ですが、もっと評価されるべきだと思います。 川上弘美の安定感にはいつもカンシンさせられますが、一方で『真鶴』ような作品をもう一度読んでみたいような気もします。 この本の値段設定は高めですが、文芸五誌を毎月チェックすることを考えればお得かもしれません。2012/04/07
よるかわ
2
一番気楽に楽しめたのはお目当てだった舞城。池澤・朝吹・足立・青来に衝撃を受け、短編でも重厚さの変わらない高村薫に驚いた。舞城・高村以外は普段読まない作家の作品ばかりだったけれど楽しめたので、代表作など手を出してみたい。2011/12/05
saori
2
舞城、読んでいるときは面白かったけど、読後、思いのほかオーソドックスで無邪気な芸術家の卵たちのほのぼの話だったな、と思った。何かを揺るがされるようなものはなかった(ちょっと期待させる冒頭だったけど)。佐伯一麦は、これ小説? と思い、その小説然としていないところが逆に作者の小説への強烈な信頼を感じて、じわじわ面白くなった。池澤、川上、中上、はやっぱり好きだなぁと思い、でもでもこの一冊の中で一番良かったのは断然高村薫だった。この人短編も重厚。すごいです。読みごたえ、裏切らないです。2011/11/15
newheaven
1
池澤夏樹、高村薫、中上紀を拾い読み。オチるかなオチるかな・・・オトシた!という感じの短編。スッキリするけど物足りない気も。中上紀、初読。パターンを知らない作家とはいえ、娘と父という関わりの、新しい視点を得られて良かった。(追記)高橋源一郎の評価が良かったので、読んでみた。ああ、なんだろう、これは好きな感じ。高橋作品はどうしてもあのオッサン本人が思い浮かんで、今まで全然読む気がしなかったのだけど、これは好き。既知の物語の人物のおかげで、オッサンの影が入り込む隙がなかったからだろうか。2012/06/14
ゆう
1
図書館から借りた2週間では読み切れず、一旦返却。2段組みで文字もそこそこ小さめなので、手元においてじっくり読みたいアンソロジー。厚さの分、作家陣も現代を代表する豪華な面々。高橋源一郎「さよならクリストファーロビン」(これが読みたかった)、川上弘美「小鳥」(うれしいハプニング)あたりがやっぱりよかった。2012/05/07