内容説明
中国の大規模掲示板を翻訳する人気ブログ『大陸浪人のススメ』の管理人が、オタクカルチャーからチベット・ウイグル問題、日本のAV女優談義から共産党批判、民主主義論まで、彼らの本音をモニター越しに聞いてみた!歴史文化ビジネスと幅広いフィールドで中国を体感し、ネットを通じて現地のユーザーとダイレクトに議論する著者だから書ける、笑えるけれど本気の中国論。テレビや新聞が報じない“あの国のリアル”がわかる。
目次
第1章 親日・反日・インターネット(ギャルたちの人民共和国;ネットとポップカルチャーで見つけた「知日」 ほか)
第2章 電脳世界の天安門(悪ふざけか民主化運動か?―検閲ソフトの「萌え擬人化」勃発;天安門―中国で最大のタブー ほか)
第3章 ワンクリックの民主主義(中国の政治は日本よりはマシ?;効率的な「専制」政治 ほか)
第4章 翻訳ブログは理解を生むか―日本・台湾篇(インターネットが溶かす中台関係;『2ch看日本』の衝撃 ほか)
第5章 翻訳ブログは理解を生むか―チベット・ウイグル篇(チベット―少数民族をどう考えるか;ウイグル―さらに大きな危機 ほか)
著者等紹介
安田峰俊[ヤスダミネトシ]
1982年滋賀県生まれ。立命館大学文学部(東洋史学専攻)卒業、広島大学大学院文学研究科修士課程修了。一般企業勤務を経た後、いくつかの職業を経てノンフィクションライターとなる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ピオリーヌ
9
2010年の刊。天安門事件の著作をはじめ多数の人気作がある筆者の処女作。インターネットの掲示板の書き込みを中心にナマの中国人の声を探る内容。当時筆者は「大陸浪人のススメ」という中国の大規模掲示板を日本語に翻訳するブログを運営しており、中国側で同じようなことをしている「2ch看日本」の内容も多数紹介され、こちらも大変興味深い。今、当時より中国の存在感はさらに増しているように見えるが、これから我々はどう付き合って行けば良いのだろうか。2024/09/18
すん
7
2010年の本です。中国版2ちゃんねるの書き込みや著者のブログへの書き込みをベースに当時の中国人が何を考えていたのかを分析しています。当時は民主党政権だったりスマホが出始めて盛り上がってたりと懐かしく感じました。2019/05/25
編集長
7
中国のネット掲示板や個人ブログに表れる一般中国人の肉声を通して現在の中国をのぞき見た本。「2ch看日本」あたりは品はよくないけど興味深い。2009年に上海で建設中のマンションが根元から折れて倒壊したとき、日本人が「これをクレーンで引き起こして何事もなかったように販売してこそ中国」と書くと、中国人が「この日本人は中国のことをよくわかっているじゃない(笑)」と書いた。タテマエの「日中友好」や脊髄反射の「嫌中国」でお疲れの方にはお勧めです(私はかすかに前者)。真面目で深いけど、ほどほどにユルくて楽しい本。2015/06/06
shigoro
5
反日の愛国教育を受けた世代でも、ネットと通して歴史や隠蔽された部分を理解している人もいるが、それでも少数派なんだろうな。中国人としては、「メシが食えてまずまずの生活が出来ればいい」とのことなので、経済が発展している当分の間は、中国のあり方に疑問を抱いても、反発せずに無関心でいられるのかもしれない。最後に書いてあったようにブログを通して互いに日中で言い合うのが今のところベストなのかもね。 2011/11/12
八子
4
あまり面白いので、一気に読み終わった。前も知っていることにしても安田さんの手に加えて、面白くなった、本の構成もすごくいいし。筆致から、安田さんは優しい人だと分かった(笑)。2011/12/01