内容説明
解決しようのない依頼を引き受けた探偵に降りかかる、連鎖する悪意と暴力。それらはやがて、自身の封印された記憶を解き放つ。『藁の楯』木内一裕が贈る、待望の極限エンターテインメント第二作。
著者等紹介
木内一裕[キウチカズヒロ]
1960年、福岡生まれ。2004年、『藁の楯』(講談社)でデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
おしゃべりメガネ
134
8年ぶりの再読で、やっぱり読みやすさはピカイチですね。「探偵」シリーズの幕開けで、今でこそ「矢能」さんがしっかりと看板を守ってますが、実は意外にもスタートは違ってるんですよね。しっかり者の「栞」ちゃんも本作ではちょっとしか登場せず、本作はどちらかというとキッカケ的な立ち位置にある作品かなと。それでも初代探偵のハードボイルドっぷりは十二分に堪能できますし、展開もスピード感あってどんどん読み進めていけます。本作では3つの'事件'に携わる「探偵」の'戦い'と以降の基礎となるキャラの'成り立ち'を確認できました。2019/08/17
美登利
106
木内さんのスピード感溢れる爽快なストーリーを初めに読んだ人にとっては肩透かしなのかもしれません。報われなさ過ぎて悲しい。警察官くずれの探偵、イイ男なのは分かる。男も惚れるくらいだというのも。探偵物はハードボイルドと決まってるのは何故だろう。むちゃくちゃ不死身過ぎるのよ。そうでなきゃ話にはならないのだろうけどね(苦笑)想像するだけで痛いのと、切ないのと入り混じって、それでもそんなに嫌いな物語ではありませんでした。三部作になるらしいので、次も読んでみようと思います。2017/10/08
Shinji Hyodo
96
元ヤクザだった矢能(ヤノ)が何故探偵業をやっているのか?その成り立ちと栞ちゃんとの関係性が理解出来るシリーズ一作目を読む。警察官だった「探偵」が何故栞ちゃんを残して死んでしまったのかも理解出来た。それにしても、何とも大勢の人間が死んでしまったものか…。この作品に続くアウト&アウト、バードドッグを先に読んでいたので、ここまで簡単に人が殺されてしまうのはなんぼ小説の世界とは言えいかがなものかと思う気持もある。ヤクザ探偵矢能の次の作品に期待しよう。てか、「探偵」の名前が最後まで分からなかったのは私だけですか?2017/05/18
ゆみねこ
91
読み友さんがこのシリーズを絶賛していたので手にしてみました。想像以上に面白くて一気に読了。元警察官の探偵、人のために命をかけて悪い奴らを倒す…。ちょっと人が死にすぎという感はあるけれど、映像向けなのかな?男の子は救ってあげたかったなぁ。探偵事務所のこれからが読みたいので、続けて「アウト&アウト」を読みます。2017/05/25
うなぎいぬ
77
足掻き続ける哀しく逞しい探偵の話。 いつも傷つきボロボロだけど、決して弱いのではなく 自分より強い者にも真っ直ぐにぶつかっていく故だろう。 昨日Facebookの木内一裕ページを見ていたら、 この小説の元になる映画「鉄と鉛」(1997)が もうすぐ渋谷で上映されると載っていた。 とても好きだった小説だけに 観たらガッカリするのか、更に楽しめるのか… なんとか時間を作って見に行きたい。