内容説明
神の名は―。混迷の中、片目になった推理作家は、自らの墓碑銘を書き始めた。その墓碑銘は…“偶然”。『生ける屍の死』以来の大長編1200枚。
著者等紹介
山口雅也[ヤマグチマサヤ]
1954年横須賀市生まれ。早稲田大学法学部卒。’89年『生ける屍の死』(創元推理文庫)で作家デビュー。この作品は、「このミステリーがすごい!」1990年~2000年、10年間のベスト1となる。’94年『ミステリーズ』(小社刊)で国内部門第1位。『日本殺人事件』(角川文庫)で日本推理作家協会賞受賞
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ダイ@2019.11.2~一時休止
67
奇跡的な出来事は偶然なのか?。山口さんらしく変な雰囲気の作品だった。2013/11/07
MarsAttacks!
13
不可思議な事件が連続し、すべての事件に偶然居合わせる主人公、果たしてこの意味するものは?読み終わり、結構な疲労を感じた物語。偶然というものを哲学・宗教・科学の分野で解明していきますが、ものすごい薀蓄の量に、なかなか読む手が進まず、そしてクライマックスにかけての事件の解釈、ちょっと力が抜けました。かなり読み手を選ぶ物語だと思います。2013/04/04
もぐもぐチョビたん
6
新年早々キタコレ(=^ェ^=)うへえ。奇書といっても差し支えないんじゃないかなぁ。面白くないわけじゃない。とんでもなく偶然が連鎖した連続怪死事件が起き、偶然や必然の定義について量子力学、確率論、宇宙理論、易学などなど様々なアプローチで描写を試みているのだが。所詮フィクションじゃないですかーやだー(笑)と醒めてしまうのも結末が結末だからだろう。まぁジャンルとしてはアリだと思うけど長過ぎるかな。徒労感ハンパない(笑)。2015/01/04
karatte
4
この文量の長編としては「生ける屍の死」以来(!)だそうで。歌詞の一部をエピグラムにしたり、確かに近い感触かも。ただし内容的にはおよそ別物。キッド・ピストルズシリーズの背景としてはおなじみ、量子力学とりわけ不確定性定理に関する記述がここでもかなり紙面を割いていて、確率論的パラドックス等における著者の関心が相当なものであることが窺われる。とにかく文中の言葉を借りて言えば“鵺のようなグロテスクな”ミステリ風思弁小説であることは疑いない。2007/06/23
セルジオ肥前
4
読み終わった後にはどんなカタルシスがあるだろうかと期待しながら読み進めたが、待っていたのは疲労感のみだった。