奴の小万と呼ばれた女

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  • サイズ B6判/ページ数 316p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784062100137
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

内容説明

大阪屈指の豪家に生まれた三好正慶尼こと木津屋お雪。型破りの振る舞いばかりが語り草となったが、この女性の真実の姿にはだれも目を向けようとしなかった。「奴の小万」という役名で、女侠客として昭和に至るまで舞台に登場し続けた、1人の女性の実像がいま初めて明かされる。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

星落秋風五丈原

13
「今の世におなごの身で生まれたからには、わしのように男の女房となって子を産み育てるか、うちに長年いる腰元や女衆のように一生他人様にお仕えするか、女郎となって大勢の男に身を売るか、いずれこの三つしか道はない」という時代。このヒロインは自由に生きることを欲しただけなのだが、そのために時代からどんどんはみ出していく。2004/02/11

horihori【レビューがたまって追っつかない】

11
大阪の豪商木津屋に生まれたお雪は、モデル並みの美貌で超セレブ。けれど大女で、その上気も腕っ節も強いお雪の所業に身内は頭を抱え、世間は面白がって持てはやすが、嘲りや非難が込められている。ただ自分らしく生きたいだけなのに、それが女だからいけないと言う世の中の方がおかしい。ただ「自分が自分らしく生きるのにどこがいけないのか」と問い続け、時に派手に反抗してみせるかと思えば、時々浅はかで男に惚れて痛い目を見たりして、ダメ女っぷりも発揮。お雪の、不器用だけど周囲に流されない強さがお雪の生き方で、凄さで、一番の魅力。2008/01/24

Apollo

3
とても稀有な例だろうけれど、江戸時代に本当にこんな破天荒な生き方をみずから選んだ女性がいたなんて。豪商の娘という、経済力と社会的地位に裏打ちされていたからこそ可能だったと思うが、意のままに生きるにはやっぱり経済力って大事なことがわかる。それにしても、予想以上に男に振り回される人生ですなあ。腕っぷしの強い男に喧嘩をふっかけるだけあって、過剰なほど感情豊かな性格だったのだろうか。2021/08/18

ちゃこ

1
歌舞伎の題材にもなった女性・木津屋お雪(三好正慶尼)。大坂の豪商に生まれ眉目秀麗かつ教養もありながら「女のあるべき姿・幸せな生き方」の世間の常識に疑問を持ち、当時の女性としては型破りな彼女の半生を描いた作品。   前半のお雪の侠気あふれる行動が痛快で面白かったのですが、後半は単なる「だめんずうぉ〜か〜」の江戸時代版の印象。世間知らずのお嬢様が、ダメ男にハマって周囲との約束も守れず情欲に流されて、その男の人生をさらにダメに…。(続→)2013/10/20

さや

1
ヒロインのこと、好きだったけど途中からなんか嫌になった。2011/12/17

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