内容説明
世界初の探偵にして「レ・ミゼラブル」のモデルとなった伝説的悪漢ヴィドック。歴史の裏側を駆け抜けた男の活躍を描く傑作長篇サスペンス。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
星落秋風五丈原
19
ある時妻が養子をもらうことを知った囚人が金を作るために 礼拝堂に忍び込み、謎の死を遂げる。 ヴィドックに体を任せた監獄の司令官の娘クララもどこか世を 捨てた風である。それぞれの謎が、聖ヨゼフの夜のある陰謀に向かってゆく。 このヴィドックが「レミゼラブル」のモデルとなりました。 塩野さんにとってのイタリア、であるならば藤本さんにとっての フランスなのでしょう。1999/08/10
森
5
革命から一年。王政復古を企む組織が潜伏している国境近くの徒刑場に、一人の囚人が入獄した。無実の罪をなすりつけられ、終身刑となった少年。彼は劣悪な環境にも屈せず脱獄しようとするが、牢獄には反革命派の蜂起計画が蠢いていた−−。読みやすくて希望の持てる終わり方だった。黒幕は中盤で察しがついたけど、登場人物のキャラがよかったので飽きなかった。これ一冊でも独立して読めるけど、革命前夜の「聖アントニウスの夜」にも主人公がわき役として登場します。2014/06/25
逢日
3
再読だが初回登録漏れ。豊かな筆力で、300頁弱を一気に読ませる。緩急が見事。また決して善人ではない囚人たちが、ヴィドックを始め皆個性的で憎めない。応援したくなる程。フランス革命期を舞台に脱獄劇なのだが、それよりも作者の筆は当時の監獄の描写に詳しく描き出す。まだまだ罪人の人権など絵空事だった時代。公人の搾取や賄賂も憚りなく横行していて胸が悪くなる。ラストは希望の見える幕。2020/08/23
ほり
2
レ・ミゼラブルのモデルとなったと言われている、ヴィドックが主人公。藤本ひとみの世界史ものの小説は、前からぼちぼち読んでいますが、その中でもスリリングで面白かった! ヴィドックの気迫とずる賢さが痛快。☆4.02015/12/03
半べえ (やればできる子)
0
★2013/09/12