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講談社文芸文庫
骨の火

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  • サイズ 文庫判/ページ数 271p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784061983878
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

内容説明

少年の持つ純粋さから、カトリックの入信した漆山。高校時代、級友を傷つけ、その告解の機会を透したことから、神に背き、淪落の道へと迷い込む。大学時代、寄宿先の母娘と通じ、後に二人を死へ追いやったことで、後半生、精神の病に囚われるが、影のようにまとわりつく娘の父親の存在が、漆山に終末の日を迫る。人間の深奥にある欲望と、罪の意識の克剋の劇を描破した、異色のカトリック文学。

著者等紹介

森内俊雄[モリウチトシオ]
1936年(昭和11年)生まれ。1960年(昭和35年)3月、早稲田大学文学部露西亜文学科卒業。8月、主婦と生活社本誌の編集記者となる。1963年(昭和38年)主婦と生活社から冬樹社へ移る。1966年(昭和41年)詩作活動。1969年(昭和44年)12月、「幼き者は驢馬に乗って」で、文学界新人賞を受賞する。1973年(昭和48年)11月、第一回泉鏡花賞を『翔ぶ影』で半村良と同時受賞。1991年(平成3年)2月、読売文学賞小説賞を『氷河が来るまでに』で受賞、3月、芸術選奨文部大臣賞を同作で受賞。2003年(平成15年)3月、『十一月の少女』を新潮社から刊行。7月、『空にはメトロノーム』を書肆山田から刊行
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

みも

4
冒頭の夢の中で、金魚を握り潰した嘔気を催す生臭い幻臭が、作品全体に最後までつきまとう。この作品ではないが、芥川賞候補5回と読売文学賞受賞歴がある相当力量のある作家だ。宗教に関する広い見識と深い理解をベースに、随所に中原中也や石川啄木の詩を挿入し、夭折の詩人のイメージとダブらせて憂鬱や孤独や喪失感を炙り出す。カトリック信教の仮面をかぶり、人生から逃避する漆山は殺人鬼でも性的倒錯者でもないが、常人には理解し難い受動的モンスターなのではないか。「異邦人」のムルソーにも通ずる言い知れぬ薄ら寒さが余韻として残る。2016/03/05

AR読書記録

0
「カトリック文学」ってことで,小川国夫に近かったりするかなぁ,と読んでみましたが,いやあ! 「人間の深奥にある欲望」ってこんなレベル...? ううむ... 後味非常によろしくない.2010/11/20

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