講談社文庫<br> 埠頭の風

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講談社文庫
埠頭の風

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  • サイズ 文庫判/ページ数 286p/高さ 15X11cm
  • 商品コード 9784061852334
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

内容説明

国禁を犯した罪で追われたシーボルトが三十年ぶりに長崎に帰ってきた時、驚喜してかつての夫を迎えた母親とは違って、娘お稲は、憎しみと不思議な感動の相剋に立ちすくんでいたが…。異邦の男の愛の証し、洋の東西を超えた人間の情を鮮烈に描く表題作の他、江戸の名残りと文明開化を語る、傑作短編集。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

shizuka

48
『千亀亭事始め』。置屋「扇芳亭」にパリ興行の話がやってくる。国内旅行でさえままならないこの時代にパリ!気っ風にいい女将、千亀は迷いもなく引き受ける。芸者たちも大騒ぎ、パリってどこ?エゲレスじゃなかった?という風に。和食が食べられないだろうから、板前も連れて行ってしまえと、準備すればするほど大所帯に。てんやわんやでパリについたら、それはもう蝶や花よともて囃され興行は大成功。欧州人がジパング芸者の絢爛豪華さに目を見張る様子が手に取るように分かる。最後はきっちりハッピーエンドでご満悦。他5編、幕末明治の物語集。2017/01/14

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6
史実にヒントを得た6つの短編集。手練れた、味わいの深い佳作ばかりなのに、著者の短編集の多くが絶版になっているとは信じられない。甲乙付けられず全部がお勧めだが、中でも「千亀亭事始め」「ひっぺがし物語」のエンタティンメントが楽しい。他方、「逢魔の辻」には人間の業の恐さについて考えさせられた。2019/08/07

高橋 (犬塚)裕道

2
星4.5。杉本苑子は初めて読んだ。上手い!快活に読ませる上手い小説。この文庫が現在も売っているかどうかは不明。私は1992年発行の講談社文庫を古本屋で買った。今後も杉本苑子を読んでいきたい。 2015/07/14

chris the bookwalker

0
文明開化の頃のお話を集めた短編集。短編とはいえ、どの話も内容が濃くて、堪能した。特にヨーロッパへ興行に行く芸者の話には、ワクワクした。最後の話は収まりが悪くてもやっとする。実話を元にしているのかな。2018/10/31

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