内容説明
鈴鹿に1瞬の光芒を放って逝ったトオル23歳の青春。星野一義、中嶋悟らを追いつめ、鈴木亜久里と競った天才ドライバー高橋徹。「もし生きていれば」というなら、モータースポーツの新時代を築いていたにちがいない。あまりにも激しく生き急いだ現代の青春を、若い感性で描いた注目のノンフィクション作品。
目次
1983年10月23日
レーサーへの道
少年A
初心
鈴木亜久里をしのぐ
六甲の恋人たち
F2への挑戦
トップチームとの契約
恐るべき新人
目標は中嶋悟
デビュー戦でヒーローに
クラッシュの恐怖
弱点は体力不足
F2四戦目のポールポジション
不満足な表彰台
逃避
恋人との別れ
自信喪失
追い詰められて
再び10月23日
激突―死
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
yellowdog725
0
1983年10月23日に23歳の若さで亡くなった天才レーシングドライバー高橋徹選手のノンフィクション。当時F2やGCなどのレースに夢中な小学生だった自分にとってはヒーロー的存在の人。ニュースで訃報を知ったそのときの衝撃は今も忘れられない。もし生きていれば日本人初のフルタイムF1ドライバーになれたかもしれないと思うと本当に残念でならない。彼が恋人に宛てた手紙の「今、ここ、俺」という生の言葉が心に響く、そんな1冊。2011/07/02
たろすけ
0
若くして、とんとん拍子でF2まで駆け上ったことが彼にとっては良いか悪いかでいえば悪かったんだろうなあ。未成熟なドライバーに対し周りの期待が高すぎた。星野選手がチームを去らなければナンバー2ドライバーとして精神的、肉体的、技術的で足りない部分をじっくり育てることができたかもしれない。どこで色々な歯車が狂ったのだろうかと、考えさせる一冊でした。文庫本化に際し加筆がありGC事故に関しての裁判考察が書かれています。同事故に関心がある方は一度読まれることをお勧めします。2023/09/08