講談社文庫<br> ハーレムワールド

講談社文庫
ハーレムワールド

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  • サイズ 文庫判/ページ数 205p/高さ 15X11cm
  • 商品コード 9784061846654
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

内容説明

ティエンは二年も前に知り合ったサユリのことを何にひとつ知らない。気が向くとふらりと彼の部屋にやってきて数日泊まっていく。サユリの恋人シンイチは彼女が黒人との混血だとは知らない。街で知り合った黒人のスタンをサユリはシンイチの部屋に同居させる。中年の外交官クラウスも彼女に夢中だ。サユリと四人の男たちの新しい愛の神話。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ヴェネツィア

152
山田詠美の小説はこれで12冊目だが、これまでに読んだ中では最も通俗的な部類に入るだろう。設定の陳腐さもまた否めない。しかし、25年も前に書かれたこの小説が未だに一向に古びないのも事実である。これほどに風俗小説風であるにも関わらずである。そうしてみると、この小説の本質は風俗にはなく、むしろ普遍性を持った精神のあり様にあるということになる。サユリに操られる4人4様のマゾヒスティックな男たち。そして、サユリの「死と再生」の物語。もっとも、再生するサユリが、元の姿への復活でしかない点がこの小説の限界だろう。2014/12/17

James Hayashi

30
感情を抜きにして、肉体のぶつかり合い。性描写もあるがエロさがない。日本的な作品とは異なり動物性を感じる。荒削りな感じも初期の著者を感じられた。2019/11/21

niaruni

6
いい女を描写するのに、いい女としか言っていないような。ティエンをはじめ、男たちの描写にはそれなりに説得力があるのに。サユリの台詞も今にして読むとちょっと違和感あるし、やっぱり昔の作品ということなんだろうか。恋愛小説は時代に関係ないと思っていたけれど、風俗小説の面もある作品だと老朽化の感は否めないのかなあ。ちょっと残念。2012/08/24

rio

3
父に捨てられた母のようにはなりたくない一心で、自分の感性、美意識だけを頼りに自由奔放な女王を気取る女。なんだか悲しい読後感。2016/12/02

セバスチャン

3
デビュー作品の「ベッドタイムアイズ」とは、違いますね。情念の波動のようなものが、感じられないです。通俗小説で、僕は好きになれないです。なるほど、この先にあるのは、直木賞ですね。2016/07/24

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