感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
geshi
18
事故により骨折した3億2千万の価値を持つニ歳馬。牧場責任者の朝倉は事件を隠蔽するため狂言誘拐を企てるが、脅迫者の影が現れる。いかにして警察を騙すのか、誘拐捜査を失敗に終わらせるのか、と計画する“犯人”目線の心理がサスペンスフル。そこに脅迫者というイレギュラーが現れ、その正体を追いながらも、事件の真相を隠すために協力せざるを得ない皮肉な構図となる捻った展開で一気に引き込まれる。競馬のシステムを逆手に取った身代金引き渡しトリックといい、仕掛けられていた錯誤といい、発想の良さが光る。2014/12/09
ひでまろ
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昭和58年10月5日発行。再読。人が死なない良質ミステリー。これだけ質の高い作品が乱歩賞落選とは。“人さらいの岡嶋”は馬もさらう。2013/01/07