講談社学術文庫<br> 死の風景―ヨーロッパ歴史紀行

講談社学術文庫
死の風景―ヨーロッパ歴史紀行

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  • サイズ 文庫判/ページ数 276p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784061591929
  • NDC分類 490.4
  • Cコード C0147

内容説明

死のかたちは時代や社会により異なる。歴史にみる飢餓やペストによる死は集団的・瞬時的であり、現代のガン死や交通事故死は個別的・散発的な死因構造を持っている。人類の歴史の中で、死の諸相は文明や風土とどうかかわってきたのか。近代医学誕生の契機となった大疫病の爪痕の残る古都を歴訪、ひたすら健康を希求して死を忘れようとする現代人が見失った「生と死の尊厳」を感銘深く説いた名著。

目次

死のかたち―機内で
生と死の境い―カイロ
飢えと肥満と―ルクソール
悲しみの女神―アテネ
のこされた病歴(カルテ)―テーベ
蛇の夢―エピダウロス
少女の墓―アテネ
血と骨―ローマ
「汚れた者」―アッシジ
死の勝利―フィレンツェ〔ほか〕

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

キムチ27

12
10代の頃、特に歴史が好きで、中でも欧州中世史に魅かれた。河出書房発刊のルネサンスの歴史?って言うやたら分厚い本にはまり、何とも言えない瞑感が頭中に溢れた。 本書は30年以上前の執筆だが、時を経ても十分の今日的啓蒙の書と思う。 レヴィ・ストロース曰く 旅行記は「我々歴史に生きる存在の最も不幸な姿の直面させる事」だそうだ。ペシミスティックかと思うほどにさなる傾向好みの私にとれば何やら安堵感。 3大文明の遺跡探訪を中心に権力と民の在り方に想いを馳せたり、欧州中世の空気を訪れバンデミックを考える思索中心に掲載。2013/09/20

Christena

4
ペストの痕跡を歴史的建造物や、デカメロンなどの古い書物の中に探し、当時の人々がどのように死をとらえていたのかを考察した本。ヨーロッパ各地の街は、死の風景でいっぱい。2013/12/21

讃壽鐵朗

1
歴史的事実の記載は素晴らしいが、感傷的な文章が余計2018/07/20

クルス†

1
題名に惹かれて購入。死やヨーロッパの歴史が好きなので興奮しっぱなしで、古代から現代と広い範囲の死の考察が分かり易い言葉で書かれているので最後まで楽しく読めました。2014/12/04

更新停止中

1
初めて(大陸の)欧州に旅行した時、普通に歩いていて急にぽかっと、何と言うか「暗くて深い穴」が足下に開くような感覚があったのを生々しく思い出した。この本はあの「穴」の話をしていると思った。良書。2012/08/30

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