出版社内容情報
【内容紹介】
第一回チベット入りの紀行と同じく、この本もまたきわめて信頼性の高いものである。慧海師の観察は、生物や民族の生態についても鋭い。ヤクその他家畜や、その乳製品などについて、あるいは遊牧民などについて。彼のチベット人の三区分(遊牧民、定住牧民、半農半牧民)は、今まで私が接したどの研究者の見解よりも正しいと思う。かように学術的資料としても貴重であるが、読み物としても、おもしろい。(川喜田二郎氏「解説」より)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
greenman
7
明治30年から36年までチベットに潜入した、河口慧海師によるチベット再訪の記録。大正2年から4年にわたってチベットに滞在し、様々な仏典を集めて日本に帰国を果たす。前半はおおまかな旅行行程をしるし、後半の雪山歌旅行からは、詳細な旅行記となっている。第一回ほど危険な旅ではなかったせいか、緊迫感はあまりないが依然としておもしろい。それにしても、わずか10数年でチベットの文化風俗が変わってしまったのを読むと、すこし寂しくなるのは自分だけだろうか。2010/03/02
斑入り山吹
4
まあぶっちゃけ一回目のチベット行きの方が読み物として面白かった。そのときの余韻を味わいつつ、という感じで読んだ。チベットの宗教を説明しているくだりがなかなか興味深かった。ちょうど梅雨明けでやたら暑いときだったので、まつ毛も凍る話はちょっとよかったかも。河口氏の背筋の伸びた感じが、一本筋の通った感じが、ほんとにすき。2012/07/20
たこ焼き
1
第一回の方がスリリングだったが、前回と二回目のチベトの変遷が面白かった。戦争は国の形を短期間で変えるという事実。シッキム王国が日本らしいというのは面白かった。素晴らしい、と評価されている人間が言っていることと、自分の言っていることに食い違いがあるとき、いかに自分が正しくても自分が勘違いしているのかもしれないと思い込むのが人間の悪い癖。2016/07/20
カネコ
1
◎2009/07/16
higurasias
0
自炊記念