講談社学術文庫<br> 更級日記 〈下〉

講談社学術文庫
更級日記 〈下〉

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  • サイズ 文庫判/ページ数 188p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784061581739
  • NDC分類 915.36

出版社内容情報

【内容紹介】
老いた父と姉の遺児に心を残しながら宮仕えすることになった作者はやがて結婚生活に入る。一男一女にもめぐまれて、少女時代にあこがれた物語の世界を夢と悟りひたすら現実的な人となる。50歳のとき夫は国司として、成人した長男を従え任国にはなばなしく出発。見送る彼女は幸福そのものである。しかし翌年夫は急死。作者が醒めて眺めた現実は短い夢であった。ある夜、弥陀来迎を夢見てからは来世に頼みをかけてはかなく世を送る。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

spica015

7
当時の女性としては宮仕えや結婚のタイミングなど、少し出遅れた感のある作者が少女時代から一転、現実をしっかりと見据えている様子がよく伝わってくる。その現実の生活は決して楽ではないものの、妻として母としての充足感が時折垣間見えるのも確かである。作者名が明らかでないように、女性が個としての存在を軽視されがちだったこの時代、夫との別離を経て、最終的に信仰の道を見出すことができたのは、作者の思慮深さによるものなのだろうか。和歌を詠んだり日記を認めることのできる教養は、やはり身を助けるのだろう。2019/10/30

大臣ぐサン

1
文学少女の一生。最後は姥捨。2019/03/28

まあい

1
「夢」や「仏」が現代よりも現実だった時代の、夢見る少女の成長記録。彼女が描いたとされる物語が、何歳の頃に描かれたのかが気になるところ。2014/03/20

シャンピー

1
もはや物語のような現実は訪れず、少女時代に物語に没頭しすぎた自分を激しく後悔する。あまりにもな出来事の多さに作者がちょっと可哀想になってくるが、自分を悲劇のヒロインにするために、悪い部分を抽出して書いているのかもしれない。しかし、空想にハマりすぎて現実に絶望するって現代にも通用するものがありますね…2012/07/08

たいけい

0
物語を読むのに憧れた13歳の少女が父親と上京。長じるにつれ度重なる現実生活の厳しさに遇い、ついには阿弥陀仏を信仰するに至った回想が記されています。下級貴族の苦難と悲哀に満ちた生活に嘆きつつも、作者一流の視点から描かれる親しい人との歌のやり取りや季節の移りゆきなどの魅力に引き込まれました。2013/02/16

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