内容説明
近所の一大イベントだったテレビ購入、誕生日には不二家のお子様ランチ、土管が転がっている空き地が遊び場、路面を走るトロリーバス、くみとり便所の強烈な匂い…、少年時代を昭和三十年代の大阪で過ごした著者による、頭より体感として残る、懐かしの記憶たち。
目次
エイトマンとたこ焼き
おはようこどもショーおよび米産アニメの声優
あの頃はまだ戦後だった
初めてのシングル盤
科学の未来が明るかった時代
わが家にテレビがやってきた
アメリカのホームドラマ
少年期を包んだ歌たち
お誕生日は不二家のお子様ランチ
マンガに見る日本の風景
誘拐、孤児、家出の願望
昭和三十年代の匂い
のら犬と子どもたち
大阪市電とトロリーバス
くみとり便所が果たしたこと
著者等紹介
岡崎武志[オカザキタケシ]
1957年大阪生まれ。文筆家。各紙誌に書評などを執筆。古本に関する仕事が多い(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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つちのこ
4
1957年生まれの著者と同世代なので、ここで取り上げられているエピソードのほとんどがド・ストライク。当時の世相や風俗を思い起こさせる映画や歌謡曲、マンガや本など幅広い知識に裏打ちされたウンチクも楽しい。 貧しかったけど幸せだった昭和30年代、同じ時代を過ごしてきた少年として、うれしい一冊であった。(2009.12記)2009/12/08
yyrn
3
作者は私より少し前の世代だし、関西と東北という違いはあるが、概ね似たような経験をしたと思う。イイ時代だったな。そんなことを言うと年寄り臭いが、でもホントにイイ時代だったんだから仕方がない。いまから見れば生活水準はだいぶ貧しかったが、それでも生活用品や食べ物が年々豊かになって、それが実感できて、きっと未来にはイイことが待っている!と何の疑いもなく信じられた時代。マンガやアニメがそうだった。そんな面白いイイ時代を経験させてもらったのだから、今が少々ツラくてもガマンしなくちゃな(特にツラくはありませんが)。2015/08/21