ムーン・リヴァー

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  • サイズ B6判/ページ数 265p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784048739825
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

内容説明

美しくけだるげで、誰よりもやさしい青年・森田透。大スター・今西良が監獄に入ってからも、透は変わらない。良と面会し、長年のパトロンで、作家となった島津と暮らす。しかし島津がガンに侵され、すべては変わった。死を前に、透への深く激しい愛に気付いた島津は、透を愛することと、小説の執筆に、その命を燃やし始め…。『朝日のあたる家』を継ぐ、「東京サーガ」完結巻。

著者等紹介

栗本薫[クリモトカオル]
東京都生まれ。早大卒。江戸川乱歩賞、吉川英治文学新人賞受賞。中島梓の筆名で群像新人文学賞受賞。ミュージカルの脚本・演出等、各方面でも活躍。精力的に執筆に取り組む中で、がんを発症。闘病とともに創作を続けるも、2009年5月に他界(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

けえこ

13
東京サーガ最終作。 美少年同士の愛憎劇は分別盛りの年齢になっても止まることを知らない。 真夜中の酒と血の世界に引き戻された、久しぶりの栗本薫作品。2024/01/25

那由多

11
『翼あるものー殺意』で私をとことん泣かせた透の『朝日ー』のその後。巽を失い良は服役中と、いつも大切な人が目の前から居なくなってしまう透。それなりに穏やかな暮らしをしてて安堵したのに、島津が癌に侵されていた。『殺意』ほどの衝撃と号泣はなかったが、底無し沼のような愛と虚無感に引き摺られる。栗本薫のミューズである今西良の登場なく物語は終わったが、出所した良がどんな決断をして、透はどうするのか知りたかった。しかし著者が亡くなり、それも叶わなくなったので透がこれ以上傷付かずに生きて行くのを祈るばかりである。2018/03/24

みい。

7
連作小説だってのを知りながら、図書館でこの作品しかなかったの、いきなり勢いで読了。前のいきさつがわからないとこありつつも、想像して読み進み。死を前にした男とその庇護の元で長年暮らしてきた男の壮絶で美しい物語。耽美的です。特に島津の生き様が。そしてこの小説が書かれた頃の作者栗本薫の状態を勝手にオーバーラップしたりして、読み進めるたびに震えが来ました。島津の死をやっと受け止めた透がこの後どのような人生を送るのか、知るすべがないのがとても残念です。2014/08/24

りゅうま

6
「真夜天」「翼あるもの」を高校生時に読んで以降、続編があったなんてつい最近まで知らなかった。それと思われるものは読んだけど、東京サーガは、やっぱりこれが最終作品でしょうか?続きがないのか間に合わなかったのかは、今となっては分かりませんが・・・。しかし、島津さん亡き後の透と良の話は読みたかったなあ~。この二人には幸せになって欲しいな。

のりめぐ

6
このシリーズでは島津さんと透の関係が一番好きでした。なんとなく、穏やかな関係のまま終わるのかなぁと思っていたので、死を前にした島津さんが意外。そこまで切羽詰まらないと、愛してるとは言えなかったんだよね。意地もあったと思います。島津さんを亡くした透が良のもとにゆくことはないような気がします。それだけ、透に打ち込んだ楔は大きいんじゃないかと。2010/02/20

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