サイゴン・タンゴ・カフェ

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  • サイズ B6判/ページ数 327p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784048738330
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

著者等紹介

中山可穂[ナカヤマカホ]
1960年生まれ。93年『猫背の王子』でデビュー。95年『天使の骨』で朝日新人文学賞を、2001年『白い薔薇の淵まで』で山本周五郎賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

おしゃべりメガネ

131
なかなか味(雰囲気)のある作品でした。テーマはズバリ、タイトルにあるように'タンゴ'になります。タンゴをベースに五つの話から織り成す、とてもステキな短編集でした。話の展開云々というより、作品の独特な世界観や雰囲気を味わい、楽しむべきなのかなと。本作に登場する女性たちが本当に魅力的なキャラばかりで、彼女たちを応援したくなります。タンゴに魅せられた女性達、それぞれの数奇な運命を叙情的に綴る作者さんの筆力にやられました。秋の夜長に手にとるにはピッタリな作品のような気がします。皆さんもぜひチャレンジしてみては?2020/10/14

chimako

79
タンゴの名曲が流れ出るような短編と中編。猫のドレブAとバンドネオンと表題作が好み。表題作のラストが良かった。しかし、昔読んだ中山可穂とは趣が変わっているように感じる。しっとりとまとわりつくような空気感は同じだけれど何となく普通になった気がして。これはこれで興味深く一気に読ませる筆力もあるのだけれど物足りないなぁ。物足りないからきっとまた読むことになる。2016/09/29

megumi♪

14
中山可穂さんは初読みの作家さん。これだけ濃密な物語を書く方だったとは。文章が詩的で美しく、心理描写も秀逸に感じました。特に表題作「サイゴン・タンゴ・カフェ」の作家と編集者の回想の場面は鬼気迫るものすら感じて、この話だけで一冊出せるんじゃないかというくらい満足度の高い話でした。 他は「フーガと神秘」で描かれた過去の呪縛からのスカッとした解放と娘への想い。「バンドネオンを弾く女」の渚の切なさと鈴子の逞しさが印象的。鈴子の子供達が母娘、母息子の関係性の違いをよくあらわしてましたね。 タンゴを習いたくなります!2023/05/14

そうたそ

13
★★★★☆ 短編集であるが、ものすごく密度の高い本。タイトルにもあるが、「タンゴ」がテーマ。タンゴというダンスには馴染みがない。映像等で断片的に見た記憶しかない。しかし、この作品からタンゴというダンスがもつパワー、パッションが十二分に伝わってきた。前半はアルゼンチンが舞台。後半はベトナムが舞台。気のせいか分からないが、前半の方がタンゴのもつ情熱がより前面に押し出されている印象。表題作が含まれる後半は少し落ち着いた印象で、この後半の二作の方が中山さんっぽい作品であったという印象。いずれにしろおすすめの一作。2013/05/11

さくらこ

12
素晴らしかった。中山可穂の小説は湿度が凄い。あー興奮醒めやらない。5篇のうち、表題作「サイゴン・タンゴ・カフェ」は夢幻能を1曲観たかのよう。2013/03/16

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