左近の桜

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  • サイズ B6判/ページ数 260p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784048738279
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

内容説明

武蔵野にたたずむ一軒家。じつは、男同士が忍び逢う宿屋である。この宿「左近」の長男で十六歳の桜蔵にはその気もないが、あやかしの者たちが現れては、交わりを求めてくる。そのたびに逃れようとする桜蔵だが…。著者のデビュー二十年を記念する新シリーズ第一作。

著者等紹介

長野まゆみ[ナガノマユミ]
東京生まれ。女子美術大学卒業。1988年『少年アリス』で文藝賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ちなぽむ and ぽむの助 @ 休止中

153
看板も出さずひっそりと佇む日本家屋、左近のお宿は人目を憚る恋人たちの逢瀬のお宿。そんな宿の息子桜蔵は、しばしばこの世ならざる「男」を引き込んでしまう。 天窓にさす桜の花あかりで、吹き込む花弁とともにひのきの湯船につかり、酒器を盆にのせて縁さきへでては盃の面に蒼い月を映す。雪見をしようと弟とふたり布団を敷く。四季を慈しむ生活と、妖とのふしぎな逢瀬。長野さんの描写にしみじみとうっとり読み惚れる作品。が、どうにもBL色が強くて、そういう描写がある度つまづいていまいち入り込めなかった私…精進足りません、うむ。2019/03/30

モルク

91
男性専門の連れ込み宿「左近」の高2の長男桜蔵。男であり、本人もれっきとした男のつもりだが本性は女と言われ、異形の男たちが自然と寄ってくる。12ヶ月にわたる12章。桜蔵の父もその道の達人であり、いい味を出している。妖の世界と色っぽさに溢れているが、美しい文章と風情とでいやらしさはない。シリーズ物となっているので次も読んでみようかな。

優希

90
夢と現の狭間にいるような感覚になります。妖を引き寄せてしまう桜蔵。少年なのに「女」と見られてしまうのがまさに幻想のようでした。官能的でありながら清廉な雰囲気なのはやはり長野さんならでは。怪異の世界に酔い仕入れる感覚が好みです。続編も続けて読みます。2015/11/04

chimako

84
色っぽい話だった。桜蔵(さくら)は男同士の逢いびき宿「左近」の長男。だが、母も父も定かではない。そこにしばしば現れる浜尾と父の柾は何やらそう言う関係らしい。ゆで卵好きの弟千菊(ちあき)も雰囲気のある中学生。男を見る男たちに「女」だと言われ続ける桜蔵の謎はまだ明かされない。長野さんの品の良い男たちの話の続きはかなり気になる。2020/04/14

himawa

53
とても読みやすい綺麗な文章で、ときおりどきりとする感じ。お父さんも弟もお母さん二人も魅力的。桜蔵はなぜ受け入れてしまうのか?そこが彼の体質と言ってしまえばそれまでだけど。蝶とか花とか描写が艶やか。続編があるとのことなのでそちらも読んでみようかなぁ。2014/11/08

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