内容説明
園田花織は出版社で編集総務をしている２５歳。ファッション誌の創刊が迫り、残業は増える一方だったが、大手メーカーに勤める営業マンとの結婚も決まり、充実した幸せな毎日を送っていた。だが、挙式の直前、相手が女性問題を抱えていることを知る。悲しみにうちひしがれる花織を新雑誌の編集長・白石は、やさしく包み込んでくれるのだった。妻子ある男との恋に落ちた花織の心情を通して、「女の幸福」とは何かを追求した、万感胸に迫る恋愛傑作長編。
著者等紹介
盛田隆二［モリタリュウジ］
１９５４年東京生まれ。明治大学政経学部卒。８５年『夜よりも長い夢』で早稲田文学新人賞佳作入選。『ストリート・チルドレン』が野間文芸新人賞候補、『サウダージ』が三島賞候補に（本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです）
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感想・レビュー
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James Hayashi
31
出版社という同じ職業に携わる2人。妻子を持つ男と独身女のゴールのない恋愛。「夜の果てまで」はありえないシチュエーションで引いてよんだが、こちらはありきたりのストーリーながらドキドキするようなエッチがあり、読み応えがあった。07年の作品だが、文庫本にはなっていないようだ。2019/08/26
アメフトファン
29
ここまで不倫を美しく書いた本は今まで読んだ事がありませんでした。あくまでも男性の視点から見た理想的な不倫の相手という感じがしました。人を愛する気持ちが尊いのは判りますが、不倫ってもっとドロドロしているものではないか？と思うのは経験したことがないからでしょうか？家庭のある夫ではない男性とのラブストーリーであればもう少し爽やかに読めた気がします。男性の奥さんの行動も素晴らしいとは思いますが、リアリティに欠ける気がしました。2014/01/06
ムーミン
24
現実にこんな幸せな区切りの付け方ができるのだろうか。読み物としてほっとしたものの、ちょっと複雑な気持ちです。2020/08/23
なっちゃん
18
小説としては、ドラマを見てるようで面白かった。けれど、美化しすぎで真似する人が出ないか心配になった。2014/10/19
りょう
5
これも図書館の返却本の棚からとってきたもの。職場の家庭持ちの上司と恋愛して妊娠して、上司が不治の病にかかり、出産とほぼ同時に亡くなる、という女性からしたらとても大変な思いをして産み育てることになるストーリー。もちろん、シングルマザーを否定するものでもないし、働いてきた彼女の仕事ぶりや誠実な人柄も理解してるけど。全体としてやっぱり男が書いた女の小説だと思う。女性が書いたらこんな綺麗事だけじゃないはず。理想化した女の小説になってると思う。そんなに都合よくはいかんわ。2023/01/13
