内容説明
望みどおりの結末になることなんて、現実ではめったにないと思いませんか?小説の企みに満ちた、アンチ・ハッピーエンド・ストーリー。前人未到のミステリ四冠を達成した偉才が仕掛ける未曾有の殺意。
著者等紹介
歌野晶午[ウタノショウゴ]
1961年千葉県生まれ。88年『長い家の殺人』でデビュー。2003年に刊行された『葉桜の季節に君を想うということ』が「このミステリーがすごい!」「本格ミステリ・ベスト10」の第1位に選ばれ、また第57回日本推理作家協会賞、第4回本格ミステリ大賞を受賞しベストセラーとなる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
takaC
94
えげつない短編集。面白い。2013/11/21
ベイマックス
81
ブラックユーモア的な11作品集。「おねえちゃん」は、カズオイシグロの「わたしを離さないで」を思い浮かべたが、もう一手があったという印象。「サクラチル」もラストの謎解きに唖然とする。他にもストーカーやらホームレスやらパチンコ依存症やらをちょっと強調して事件が起き解決していく感じです。不快っていってしまえば不快感もあるけど、ブラックユーモアと思うことにします。2024/02/18
さっちゃん
51
『正月十一日、鏡殺し』ほど嫌度は高くなかったけれど、丸ごとアンチ・ハッピーエンド・ストーリーの短編集。「殺人休暇」「尊厳、死」がとくに良かった。2021/10/20
J
43
ハッピーエンドにならないことがわかっているので、読んでて辛くなってくる。それなのに引き込まれてしまう。トリック的に面白かったのが「玉川上死」、こうならないでほしいなという結末になってしまうのが「サクラチル」。めくるページは止まらないが、体力のある時に読んでよかった。2018/01/21
reo
40
歌野氏のことだから終盤に何かがと期待を込めながら、かなり丁寧に読んでいった。ん❓何も起こらない…。「ずっとあなたが好きでした」みたいなことは起こらない。ということを全部読み終わって気づいた。しかしそれはそれとして、なるほどそうきたか!などと一工夫を凝らした11編の短編集でした。「天国の兄に一筆啓上」など2ページ半で物語を成立させたお手並み。楽しまさせてもらいました。2022/08/02