甘栗と金貨とエルム

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  • サイズ B6判/ページ数 283p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784048737166
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

内容説明

名古屋に暮らす高校生・甘栗晃は、突然亡くなった父親の代わりに、探偵の仕事をすることに。依頼は、ナマイキな小学生・淑子の母親探し。―美枝子は鍵の中に?謎めいたこの一言だけを手がかりに、調査を始めた晃は、初めての「出張」で、大都会・東京へ。慣れない街に四苦八苦しつつ、必死で謎に近づく晃だが、衝撃の事実を知り。

著者等紹介

太田忠司[オオタタダシ]
1959年愛知県生まれ。名古屋工業大学電気工学科卒業。1981年、大学在学中に投稿した「帰郷」が星新一ショートショート・コンテストで優秀作に選ばれる。1990年『僕の殺人』で長編デビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

しろいるか

71
読友さん情報で「主人公が古典部のホータローっぽい」と聞き、かねてより読んでみたかった1冊。YA向けライトミステリという印象かな。確かに甘栗君、ホータローっぽくもあり小市民の小鳩君ぽくもある。幼い頃母を亡くし、たったひとりの肉親だった探偵業の父を交通事故で亡くした甘栗君。あまり記憶のない父の葬儀、ひとりで住む家の広さやひとりの食事など、随所にぽかんと孤独を感じる場面があり、男の子だからはっきりは言わないだけに寂しい気持ちが余計伝わってきた。名古屋ソウルフードてんこ盛りで作者の「名古屋愛」が伝わってくる。2011/08/22

そのぼん

67
探偵だった父親が急死し、ひょんなことから父のやり残した仕事を引き受けることになった少年が主人公でした。17歳にしては妙に大人びた感じでしたが、ストーリーの流れ的には彼のようなタイプの方がいいのかな、と思いました。母を探してほしいという少女も、ひねくれた感じですが、憎めない感じでした。2013/02/22

hirune

65
探偵をしていた父が交通事故で急死し、天涯孤独になった高校生の甘栗君は、父親が死ぬ前に12歳の少女から受けていた彼女の失踪した母親探しを代わりにしているうちに、父親の死のショックから立ち直り、少し前向きになれたかな。怪しげな友達の直哉は活かし切れてないので、続きがあるのかしら?舞台は名古屋☆食のワンダーランドだね☆彡そしておばさん達が未成年の前で煙草を平気で吸いまくる中で、藤森さんがマトモでかっこよかった☆2014/06/26

藤月はな(灯れ松明の火)

31
文庫化された話題の作品でカバー画がミギーさんという理由で借りて読みました。一人称が男子にしては珍しい(悪魔で私の見解です)「私」で唯一の肉親を亡くしたことに遣る瀬無さを感じながらも何時までも悲しみ続けることなく、淡々且つ飄々と過ごす甘栗君に普通の高校生の立場から見て好感を持ちました。事件は振り回される人々や子供のことより、これからの利害関係を大事に考える大人を苦々しく、思いましたがそんな人たちに対する甘栗君の対応がすごく、かっこよかったです。名古屋に無性に行ってみたくなりました。2010/05/12

しょこら★

29
最初は主人公の一人称に慣れなくて読みにくかったけれど、ノッてくると楽しい。亡くなった父の遺した探偵事務所を、依頼を片付けようと重い腰をどうにかこうにかあげて歩く。文字通り、歩いて地道に聞き込みし、…急にポーンと推理力を発揮しないで、ときに落ち込んだりしながら真相に少しずつ近づく。それだけなのに、最後まですごく引き込まれた。名古屋という近場が舞台、ついでに甘栗くんがナイパパを聴いてることに親近感でした。2011/11/20

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