エ・アロール―それがどうしたの

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  • サイズ B6判/ページ数 423p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784048734608
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

内容説明

東京・銀座の瀟洒で明るい高齢者のための施設「ヴィラ・エ・アロール」。「エ・アロール」とは、フランス語で「それがどうしたの」という意味の言葉である。ここの経営者・来栖貴文は、この施設を「仕事や世間から解放された高齢者たちに、楽しく、気ままに“エ・アロール精神”で暮らしてほしい」という方針から設立した。来栖の理念のもと「ヴィラ・エ・アロール」には自由で闊達な雰囲気があふれ、楽しい語らいや恋愛問題が絶えず生じている―。「老後」に対する日本人の既成概念を打ち破り、これからの新しい生きかたを示唆する、斬新な衝撃作。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

のんすけ

21
渡辺淳一さんらしい高齢者施設に住む方達の恋愛と、そこの施設長の主人公の恋愛が絡みながら進んでいく。高齢者施設だから死について考えさせられるところもあり、年甲斐のないスキャンダラスな方達が微笑ましい。歳を重ねても一つにならなくても肌の温もりが恋しくて不安で眠れない夜もある。来栖のように黙って寄り添って抱きしめてくれる先生のいる施設なら入りたいものです。介護士をしてた頃を懐かしく思い出しました。2015/03/04

ちょこまーぶる

12
理想を追求した老人ホームを作者は描いたのだと思う。高齢者の性については今の日本では、正面から取り上げられていないように思えるが、高齢者の施設では切実な問題な問題のように思える。これからは、元気な高齢者が増えて、施設に入所する人も増えるだろうから、性に関する事を避けて通れない時代になるはずである。なので、この小説は先見の明というか問題提起をしていると思われる。ただし、難しい内容ではなく、表現力豊かな文章で読みやすく、明るい文章が続き大変読みやすい内容の一冊である。将来、入所してみたいホームである。2013/10/11

おひー

2
あの渡辺淳一が描く、高齢者施設が舞台の男女の色恋の話。高齢者施設と言っても入居費は高額で、ある程度経済力がある者しか入れない。場所は銀座。想像している施設とはだいぶ違った。そこでは恋愛も自由で、それ故に様々な事が起きる。施設内で出会った者同士が婚約したり、一人の女性を取り合ったり、中には複数の男性入居者と体の関係を持つ女性入居者も…。施設の催し物ではポルノ映画を上映したりする。施設長は医者でもあり、入居者たちの健康面もサポートする。 人生100年時代。思っているより、男女共にセックス寿命は長いようだ。2022/01/14

ず〜

2
老人ホームでのドタバタ・ラブコメディ。これはドラマ化したら面白そう。年をとっても承認欲求や孤独からは逃れられないのだろうかと思って、恐ろしくなった。だけど、それを捨ててしまった人は急激に老け込んで死んでしまうし。生きることって辛いなあ。2018/11/28

chocoうさぎ

2
初めて読む著者。銀座の高級老人ホームが舞台。介護の話ではなく、そこの入居者たちの恋愛騒動と老人の性のお話。「エ・アロール」とは「それがどうしたの」と言う仏語で、隠し子問題を追及されたミッテラン元仏大統領の答えだとか。その名の通り老いても恋愛に貪欲に突き進む老人たちが描かれるが、カラッとしていて明るい。恋愛も性に興味を持つのも人間が元気に生きている証だろう。医師としての理想と提言らしき言及もあり、楽しく読んだ。年をとっても女性の方が男性より元気らしい。こんな解放的で生を謳歌できる老人ホームが日本にも欲しい。2017/08/28

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