内容説明
若年性の痴呆症を患い、ほとんどすべての記憶を失いつつある母・千鶴。彼女に残されたのは、幼い頃に経験したという「凄まじい恐怖」の記憶だけだった。バッタの飛ぶ音、突然の白い閃光、血飛沫と悲鳴、惨殺された大勢の子供たち…死に瀕した母を今もなお苦しめる「最後の記憶」の正体とは何なのか?本格ホラーの恐怖と本格ミステリの驚き―両者の妙なる融合を果たした、綾辻行人・七年ぶりの長編小説。
著者等紹介
綾辻行人[アヤツジユキト]
1960年京都生まれ。京都大学教育学部卒業、同大学院博士後期課程修了。1987年に『十角館の殺人』で作家デビュー。これを引き金に巻き起こった「新本格ムーヴメント」は、推理小説界の一大潮流となった。1992年には『時計館の殺人』で第45回日本推理作家協会賞を受賞。「館」シリーズ、『霧越邸殺人事件』等の本格ミステリを書き続ける一方で、ホラー小説にも意欲的に取り組んでいる
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Yuna Ioki☆
53
606-216-3 意図せず二作続けてタイムバラドックス物を読んだ(笑)ホラーにしては全く怖くはないが、自分が将来痴呆にかかり母親と同じ末路をたどるという恐怖は理解できる部分。2014/07/03
Kiyoshi Utsugi
36
本格ミステリーものではなく、著作があとがきでも書いているように、綾辻行人初の本格ホラー長編です。 白髪痴呆(実際には存在しない)になった母親の千鶴の最後の記憶を追い求めて、息子の波多野森吾は母親小さい頃暮らしていた町まで出向きます。 果たして最後の記憶がなにかが分かるのか… 本格ミステリーものではないので、人によって評価は分かれるかもしれません。 個人的にはホラーというほどには怖くはなかったというのが、正直なところです。2022/09/03
すーさん
33
するすると引き込まれる。長編であるが読み出すと止まらない作品。予想外の展開、そして結末。読み始めてから読み終わるまで驚くことの連続だった。文体は物語と対照的に読みやすく、読者の心を掴む。他のホラー作品も読んでみたくなった。 読み終わってから本格ホラー長編小説であるということを知って驚いた。綾辻さんの本も読んだことがなかったので、何も予備知識なしに読んだ。ホラーというよりはミステリーの方が近い風に感じた。2019/02/23
林 一歩
26
全く面白みを感じ取る事が出来なかった稀有な作品。2013/09/02
takaC
17
いまいち2007/04/11