桜姫

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  • サイズ B6判/ページ数 234p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784048733366
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

内容説明

十五年前、大物歌舞伎役者の跡取りとして将来を嘱望されていた少年・市村音也が幼くして死亡した。それ以後、音也の妹・笙子は、自らの手で兄を絞め殺す生々しい夢に苦しめられるようになる。自分が兄を殺してしまったのではないだろうか―。誰にも言えない疑惑を抱えて成長した笙子の前に、かつて音也の親友だったという若手歌舞伎役者・市川銀京が現れた。音也の死の真相を探る銀京に、笙子は激しい恋心を抱くようになるが―。梨園を舞台に繰り広げられる痛切な愛憎劇。ミステリ界の最注目株・近藤史恵が満を持して放つ、書き下ろし歌舞伎ミステリ。

著者等紹介

近藤史恵[コンドウフミエ]
1969年大阪府生まれ。大阪芸術大学文学部文芸学科卒業。平成5年、『凍える島』で第四回鮎川哲也賞を受賞してデビュー
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

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モルク

107
大物歌舞伎役者の妾の子笙子は、ほとんど接点なく15年前に亡くなった腹違いの兄音也の首を絞めて殺す夢に苦しんでいた。音也の死に疑問を持つ若いが有望な歌舞伎役者銀京とともにその真相を探ると同時にふたりは惹かれあう。音也について何も語ろうとしない父や従兄。その真実にたどり着いたとき、そこには何があったのか。その一方、子役の景太郎君の死は悲しすぎる。彼が自分の意思で…となると、他に彼を救う方法はなかったのか、憐憫の情があふれる。2022/01/19

カピバラ

58
ほ、ほぅ…死んだ兄の真相を追う歌舞伎界の娘さん。こんな終わり方を迎えるとは。とりあえず、歌舞伎を観たくなった。2015/09/18

NADIA

54
「私は子供の頃に兄を殺してしまった」幼少時のトラウマを抱える歌舞伎の名門の家の娘・笙子。その兄を知るという美貌の若手歌舞伎役者・銀京。二人が兄の死亡事件の真相を追う一方、公演に出演していた子役が死亡。こちらも事故か殺人か。ほとんどなじみのない歌舞伎の世界が舞台だったが、本文でわかりやすく説明されていたので興味深く読むことができた。どちらの事件も真相は予想できないものだったので、そのあたりもとても面白かった。2018/10/28

れみ

39
近藤史恵さんの歌舞伎を題材にした作品。桜姫観たいなあ。歌舞伎座で起こる子役の男の子の事件は、10歳の子がそんな風に思い行動したとしたら…ちょっと辛すぎる。笙子と幼いころに亡くなった兄の関係、なんとなくそんな感じじゃないか…と予想した方向に行ったかも。2013/04/05

ナミのママ

35
8歳で不審な死をとげた大物歌舞伎役者の息子、音也。妹の笙子は自らの手で兄を絞め殺す夢を見るようになる。成長した笙子の前に現れた若手歌舞伎役者の中村銀京。2人は音也の死の真相を探ろうと決意するが。…『ねむりねずみ』が面白かったので続けて探しました。梨園を舞台にしたこのシリーズ、私は好きです。登場する男性(役者)も素敵です。今回は、結末が意外で、ちょっと悲しくて、でした。そして、こういう世襲制の家に生まれるって、どういうことなのか、何を思うのか、とも考えてしまいました。4作品あるようなので、他も読みたいです。2014/05/30

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