感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
袖崎いたる
13
所謂シチュエーション・ホラー。罪に対して弱い女のイメージと運命に立ち向かうマッチョな男との視点に揺さぶられて進行する物語は、カリブ海を彷徨う一艘のヨットという限定された状況のみで終始する。四囲は海洋であり、変遷するのは船の生活様式と人間心理のみでありながらも頁を捲らせ続ける技巧は圧巻だ。その筋とネタとがあまりに緊密であるゆえに、突っ込んだ感想はできないけど、「ミイラ取りがミイラになる」やら将棋における「駒は成ったら戻れない」てな感じ。敢て、これを一言で感想するなら「限界状況で犯される人間の概念図式」かな。2016/05/31
ぼの
0
絶海の孤島ならぬ、大海の漂流船でのホラー。極限状態での理不尽さというのは怖いし、疑心暗鬼にならざるを得ない。2010/07/21




