内容説明
首相俵田の死命を制する重要機密を掌中にした事から命をつけ狙われ、根室ルートよりソ連へ脱出した九鬼鴻三郎。モスクワの上級訓練学校で破壊工作技術を叩き込まれ、KGB謀報員として世界を巡った彼に下された新たな命が、日本で極秘作戦であった。久々の東京。標的は二人のアメリカ人。ヴェトナム反共連盟ミン将軍の傭兵だという。尾行。攪乱。銃火が新宿の闇を裂いた。やがて九鬼は、ヴェトナム戦争の忠実の裏に隠された壮大な謀略計画の存在を知る。鍵は、香港の売春窟に幽閉された娘ランが握っている。九鬼は飛んだ。舞台は東京から南シナ海の街へ。凄絶な闘いは夜明けを知らない―。