内容説明
青木ヶ原大樹海の最奥部。闇にとざされた洞窟で、男は意識を取り戻した。傍らに犬がいる。荒んだ野性の気配をただよわせながら、哲学的な、深い眸をした妖しげな犬だ。男の名は鬼谷鉄雄。自衛隊の秘密部隊「血の鷲」の隊員だった。ある日、最愛の女性、花沢いくこは謎の言葉を残して失踪し、鬼谷はスパイの嫌疑を懸けられた。追い詰められ、絶体絶命の危機をこの妖犬に救われたのだ。「血の鷲」の秘密とは?いくこの行方は?妖犬の正体は?謎を追う鬼谷の行く手に、血と官能の嵐が待ち受ける。スーパー・バイオレンス・ヒーロー登場。
感想・レビュー
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自衛隊の秘密部隊「血の鷲」と、「血の鷲」のタブーを破り追われる身となった鬼谷鉄雄との戦いを描くアクション小説。全四巻の第一巻。 タイトルは伝奇小説風ですが、伝奇風色は薄く、志茂田景樹作品にしてはミリタリー色の濃い作品になっています。 伝奇色が薄いからか、追っ手となる「血の鷲」メンバーの一人一人の個性も非常に薄く、強敵と呼べるような追っ手がいない、というのは、アクション小説として退屈になるところかと思います。 ただ、人間離れし過ぎた超人同士の戦いを描く志茂田景樹作品よりは、こういう内容のほうが好きです。 2020/04/27




