出版社内容情報
「翔ぶが如く」など幕末維新を舞台にした多くの作品で知られる司馬遼太郎の、核心的なテーマである「明治」を特集します。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
kawa
36
前半は司馬小説のおさらいに最適。中盤は遣欧使節団において、小国における自主路線の鉄血宰相・ビスマルクに興奮した大久保、反発する木戸、イギリス好みの伊藤の対称が興味深い。後半は、司馬先生による会津・長州・薩摩のお国気質の講演録が出色。話題は広範にわたるが、どれも面白い。随所に挿入される写真もイメージ脹らみで感謝。 2021/08/10
miicha
12
去年買った本なのに今頃読み終わる始末。司馬先生の紡ぎ出す言葉は短い中にも浪漫が溢れてて情動誘う写真とセットだと更に素敵。実際は美しくない部分が多かったであろう人間というものが非常に美しく感じられて元気が出ます。未読のまま積んでる小説も読みたいな。何度でも読み返したくなる一冊で書店で買えて本当に良かったです。2019/10/05
hitotak
11
司馬作品に登場する幕末から明治期の人物や歴史上の事件、舞台となった土地などを章立てし、作品中の名フレーズ、縁の人々へのインタビュー等と共に解説している。幕末史の受け止め方には司馬作品に影響されている部分が大いにあり、坂本竜馬や新撰組等の人気ぶりは司馬作品以前にはなかったものだというが、このムックで所々抜き書きされている司馬作品を読むと、その魅力的な文体と人物描写には、確かに思わず引き込まれてしまう。巻末は菜の花忌に行われた土方歳三についてのシンポジウムの採録。パネリストも豪華で、非常に面白く読んだ。2020/05/25
時代
11
幕末から明治にかけて。司馬さんの作品を引用しながら振り返る。西郷隆盛、大久保利通、伊藤博文、岩倉具視、河井継之助、松平容保、土方歳三、坂本竜馬、徳川慶喜 などなど英雄偉人を引用切り取る。もっと司馬作品に深く切り込んで欲しかったが、これはこれでアリですね。入門書的な立ち位置ですかね◎2018/11/10
のっち
9
副題に西郷と大久保の時代となっていたので、期待したが、それほど詳しくはなかった。残念でした?。やはり「翔ぶが如く」を読むのが一番だとわかってはいるのだが、あまりの大作なので・・・本書では、伊藤博文の印象が少し良くなりました。2018/10/29