出版社内容情報
【文学/日本文学評論随筆その他】市川団十郎は今は空位だが、いずれ海老蔵が13代目を継ぐことになる。江戸歌舞伎の代表として350年間担ってきた、偉大な文化の継承がそこで見られるはずだ。海老蔵事件なども、市川家の歴史を振り返れば「芸」の肥やしというばかり、歴代団十郎の勇姿が踊る江戸の華。
赤坂治績[アカサカチセキ]
内容説明
待たれているのは海老蔵の13代団十郎襲名である。12代の長男に生まれ、脂ののってきたこれからが旬。初代からここまで350年の歴史を改めてひもといてみると江戸文化を代表するトップブランドとして輝き続ける。「成田屋!!」の掛け声は、その光と影に魅せられている。
目次
第1章 団十郎家の盛衰(荒事の創演―初代団十郎;役者の氏神―二代団十郎;「家」の危機―三代団十郎 ほか)
第2章 団十郎家の謎(団十郎家のルーツは?;初代団十郎の信仰;家紋と色はどこから来たのか? ほか)
第3章 団十郎の事件史(初代団十郎の横死;二代団十郎の老いらくの恋;五代団十郎の「とんだ噂」 ほか)
著者等紹介
赤坂治績[アカサカチセキ]
1944年、山梨県生まれ。演劇評論家。劇団前進座の制作部、『演劇界』編集部などを経て歌舞伎・江戸文化を中心に評論活動(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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もくもく
4
大名跡:市川団十郎を取っかかりに、歌舞伎&成田屋350年の歴史を俯瞰する一冊で、思いの外スルスルと読めました。登場人物が、ヘッドナンバー違いの「新之助」「海老蔵」「団十郎」ばかりで、それに絡むのも「勘三郎」だったり「仲蔵」だったりが何人も並んで頭が混乱しますけどね。 ワタシが初めて、歌舞伎をキチンと観劇に行ったのは、「助六」だったか「暫く」だったか…。どちらにしても12代 団十郎でした。そういえば学生時代に、’85年の団十郎襲名公演のA0版くらいのドデカいポスターを同級生の杉山君にもらったなあ。2017/07/05
Kuliyama
2
今度、海老蔵の助六を観に行くので、予習のために拝読しました。勉強になりました。2017/03/14
akamurasaki
1
市川宗家の歴史を初代から丁寧に解説。本当に代々波乱万丈で、人気と名声の代償としていろいろと犠牲にしてきたことも多く、華麗なる一族だけに光に対する影の色も濃いのかなと思った。団十郎と幸四郎の関係について、徳川将軍家と御三家に例えたのは秀逸で、よく理解できました。しかし現代のマスコミもすごいが、江戸時代の方がはるかにえげつないなぁ。2018/03/16
織
1
江戸のヒーロー市川団十郎の初代から代々を説明した本。それにしても「団十郎の事件史」と一章別立てになるほど、実生活でもお芝居のような伝説が数々あるのはさすがです。ただ筆者が繰り返す「商業・職業芸能」の通り、歌舞伎が敷居の高いものではなく身近に感じられるような内容です。用語なども分かりやすく書かれています。(付録「歌舞伎十八番」解説も嬉しい!)当代海老蔵さんは今やネットなどで見ない日はないくらい人気の方ですし、奥様のことは心配ですが、近いうちに十三代目を期待したいです。2017/06/12
K
1
十二代も続いているお名前だと、不慮の死を遂げたり変わり者だったり、いろんな人がいるのね。今はただ、数年後にそうなっているかもしれない十三代におかみさんがいてくれることを願うばかりよ…2017/05/15